あの日に戻れないどころか、生き続けることでその記憶も消えゆく。
もう2度と会えない君を、2度と死ねない身体で想うのです。
君のいる死後の世界に行くことも許されず、一生世界を分かたれた2人の情景。
それは心を抉られるかのように痛く切ないのです。
もう恋とは呼べない
いつか見た夕焼けは あんなにキレイだったのに
恋なんて呼ぶには 穢れすぎてしまったよ
そして 君が知らずに 幸せな灰になった後で
僕は今更 君が好きだったって気付いたよ
出典: 地球最後の告白を/作詞:kemu 作曲:kemu
あの日2人で見た夕焼け、それはひたすらに「恋」を映していたのです。
それから幾何もの時が流れて、世界は廃れ、この世界には主人公1人だけ。
そんな状況で再び見た夕焼けには、何1つ心が動かない。
君は、わたしが好きだったことも、不老不死であることも、今も想っていることも知らない。
何も気づかないままで向こうの世界にいってしまったのです。
ただ主人公の内に溜まった何処にも吐き出せない無数の感情が残るばかり。
永遠と続く生
変えられない定め
百年前の同じ日に君のおばあちゃんは
同じ事を言ったんだ
君の孫の曾孫ひまごのその最期に
僕はまた一人になる
出典: 地球最後の告白を/作詞:kemu 作曲:kemu
ここでは運命は変わることが無いという無常さを物語っている歌詞です。
この先、いくら時が流れようとも、主人公は老いることはありません。
そして「死」に直面する日などやってこないのです。
大切な人が出来ると同時に、「別れの辛さ」という運命が決定します。
主人公にとってそれは1度きりの話ではなく、その悲痛を何千回と繰り返すことになる。
「死」に行くことが出来ないということは、一見幸せのように感じられます。
しかしながら実際はそんなことは無く、どの物事よりも辛い運命なのかもしれません。
想い続ける覚悟
移ろってく メトロポリスと
君の名に花束を
出典: 地球最後の告白を/作詞:kemu 作曲:kemu
あの日のままで居たいのに、世界はそれを許してはくれません。
全ての物が流れを止めることは無く、変容し続けていきます。
その中でなんとしても君だけは忘れたくないといっているのです。
いつまでも君に対して敬意を払って愛し続ける・思い続ける。
たとえこの世界が何年続こうとも、君に対する想いは消えることはないのです。
運命の裏に隠された想い
世界が死んでも主人公は死ねない
いつか見た夕焼けは あんなにキレイだったのに
恋なんて呼ぶには 穢れすぎてしまったね
そして 血が流れて 世界が灰になった後で
僕は今でも ふいに君を思い出すんだ
出典: 地球最後の告白を/作詞:kemu 作曲:kemu
主人公が生きているのは、今から何千年、何億年もの先の世界です。
その時には戦争が勃発したり、天変地異が起こったりして、世界は崩壊しているかもしれない。
しかし、先ほどから述べているように、それでも主人公は死ぬことはありません。
そんな惨状を横目に見ながら、ただ世界が終わっていくのを感じるだけなのです。
その中で、何年も前の君を未だに想い続けていることの儚さ。
何も罪の無い主人公に降りかかった運命は、どこまでも心を痛ませます。