Beat! Beat! Baby! 始めようぜ
世界がどんなに乾いても 関係ない
もう一度だけ手を伸ばせよ
ヤバすぎるイメージだけ夏に溶かせ Ya Baby!
何も起こんなかった日でも 進み続けてたのさ
冒険者たちは進む 新しい水を求めて

出典: 夏の砂漠/作曲:佐々木亮介・田淵智也 作詞:佐々木亮介

水を飲まなければあと数日で死んでしまうかもしれないという絶体絶命の場面

しかし彼らはここからスタートだと歌います。

「Beat」は音を鳴らすこと。砂漠なので足音は立ちません。

それでも一歩一歩確実に地面を蹴って、音を立てて力強く歩いていこう!ということではないでしょうか。

見渡す限りの砂漠でオアシスは見えません。

もしかするとこの先どこまでも砂漠で、水にありつけることはないのかもしれません。

しかし、予想できない何かが起きる可能性もあります。

絶望が目の前に立ちはだかっても諦めず、それを押し退けてあと一歩だけでも進んでみよう、と歌っているのでしょう。

「よし、進もう!」と决意しましたが、頭の片隅からは最悪のシナリオが離れません。

そんなときは照りつける太陽の熱で最悪のシナリオだけを溶かしてしまえばいいのです。

今までもずっと砂漠を歩いてきました。代わり映えのしない景色の中、水は見つかりませんでした。

「オアシス」「水」という確固たる目的地がなくても、二人は前に進んでここまで来たのです。

だったら「死ぬかもしれない」という大ピンチは、大きく前に進む理由になるのではないでしょうか。

ピンチを乗り切るために前に進む。絶望を希望に変えるために進む。

大きな一歩を踏み出して、二人は歩いていきます。

道標は要らない

だだっ広い砂漠の中では、自分がどこにいるのか分からなくなるかもしれません。

しかし目的地をしっかり見据えていれば、迷子になることはないのでしょう。

見えるからきっと叶う

陽炎だ幻だとはしゃぐやつが石を投げても
一人じゃ見れない夢が足を動かしてる

出典: 夏の砂漠/作曲:佐々木亮介・田淵智也 作詞:佐々木亮介

自分たちが掲げている目標がぼんやりと見える距離にまで近づいたとき、それは幻想だといって笑う人もいます。

しかし彼らは各々が別々の目標を持っているわけではありません。同じ場所を見ています。

自分一人なら見間違え、幻想かもしれませんが、二人の目に映っているのなら間違いありません。

二人で同じ場所に向かって歩いています。

どんな風が吹いても構わない

すぐに消えてしまう砂模様 激しい時代の風の仕業
季節が変わっても 行き先は変わらないさ

出典: 夏の砂漠/作曲:佐々木亮介・田淵智也 作詞:佐々木亮介

砂漠に波打つ模様は「風紋」と呼ばれています。

模様を辿っていけば方向感覚を失わずに進めるのではないかと考えますが、風紋は風速3mもあれば動いてしまうもの。

風向きが変わるたび、世の中が変わるたび、価値観が変わるたびに進路変更を迫られるのです。

しかし二人が見ている目標は揺らぐことがありません。

もし風紋が形を変えても、例え消えてしまっても、目標さえ見失わなければ大丈夫だということでしょう。

見ているものは同じ

簡単なオアシス わざと通り過ぎてく
間違ってないぜBaby 足跡のない方へ

出典: 夏の砂漠/作曲:佐々木亮介・田淵智也 作詞:佐々木亮介

人集りができている場所や、風が吹いても足跡が消えないぐらい多くの人々が向かっていく先。

きっとそこに行けば水にありつけるのでしょう。

でも二人は足を向けません。まるで新雪を踏むようにして、人々が向かわない進路を選びます。

おそらく二人は示しを合わせてこういう行動を取ったわけではないのでしょう。

「簡単に手に入る宝なんて要らない、皆が持っている宝なんて要らない」

同じ思いだからこそ、意思を確認する必要もなく二人して近場のオアシスを避けたのです。

やられたらやり返せ!

もしも目標が達成できても、人は生きている限り何かを求めます。

常に「最高」を求めて歩く二人の姿が印象的です。