「互いの宇宙 e.p」より

【pure circle/JYOCHO】爽やかな曲調に隠された歌詞の深い意味を追う!証とは何か考察の画像

2018年3月21日、JYOCHOの1stシングル「互いの宇宙 e.p」がリリースされました。

シングル表題曲の「互いの宇宙」はアニメ「伊藤潤二『コレクション』」のEDに抜擢。

タイアップの効果もあり注目を集めました。

シングルにはこの曲を軸に一貫したテーマの4曲が収録されています。

そんな中から今回は2曲目に当たる「pure circle」を紹介。

この楽曲「互いの宇宙」とは陰と陽のような、対となる関係になっているといいます。

楽曲を彩るサウンドも歌詞の内容も難解なJYOCHO。

それぞれの部分から、この曲に込められたメッセージを細かく読み解いていきましょう。

「pure circle」の壮大なサウンドに迫る

「pure circle」は印象的なモチーフが各部で使われていることで、楽曲の流れが見えるように作られています。

しかしプレイの一つ一つは非常に難解。

複雑に絡み合う楽器の音色をここで詳しく見ていくことにしましょう。

アイリッシュミュージックの風合いを見せるイントロ

ポップで楽しげなイメージのギターを、ハンドクラップやドラムのリムを使った軽快なリズムが彩る冒頭部分。

フルートの音色がそこに絡まるように入ってきたかと思うと、次の瞬間雰囲気は一変します。

繰り広げられるのはアイリッシュ風味の情景が湧きあがるイントロ。

JYOCHOというバンド名に違わず、情緒を表したそれを感じさせられます。

壮大なサウンドのサビ

脈打つようなリズムが根幹を担うサビはなんとも壮大。

そこに寄り添う澄んだ歌声のヴォーカルは、雄大な大地にそよぐ風のようなイメージでしょうか。

そのサウンドの広がりは、楽曲の印象を司るサビとしての役割を充分に感じさせてくれます。

プログレッシブロックの片鱗

メロ部分では、間を取って歌うヴォーカルを縫うようにしてギターベースの掛け合いを展開。

タッピング奏法を使ったテクニカルなフレーズの応酬には、プログレッシブロックの片鱗を感じさせられます。

これはプロジェクトを率いるギタリスト、だいじろーの元のバンド「宇宙コンビニ」の音楽性にも通じるものですね。

そのサウンドを形作るものは?

難解さと聴きやすさを兼ね備えたようなJYOCHO。

そのサウンドの成り立ちも気になるところですね。

ここで少し、JYOCHOがどういったプロジェクトなのかに触れておきましょう。

宇宙コンビニの解散を経て

【pure circle/JYOCHO】爽やかな曲調に隠された歌詞の深い意味を追う!証とは何か考察の画像

JYOCHOは、ギタリストのだいじろーが2016年に始動させたプロジェクトです。

だいじろーは元々は「宇宙コンビニ」というバンドギターを弾いていましたが、このバンドは2015年に解散。

これを経て彼は、「他の仕事をしながら音楽を続けていくのもいいかな」と考えていたそう。

音楽が好きだという気持ちはあるものの、会社務めのように普通に働くことにも興味があったようですね。

そうはいっても、だいじろーの中で音楽の占めるものはやはり大きかったのでしょう。

やりたいことを考えると一番に出てくる音楽をもう一度一からやってみようと思い、JYOCHOを指導したとのことです。

だいじろーを中心にしたプロジェクト

宇宙コンビニではバンドとして音楽を作っていただいじろー。

しかしJYOCHOはバンドという形態こそ取っているものの、また少し違ったイメージです。

それはだいじろーの立場が1メンバーではなく、楽曲を司るコンポーザーだという点に起因します。

彼が形にしたいサウンドがあって、親交のあるプレイヤーの中からそのイメージに合う人を集めて作られたのがJYOCHO。

だいじろーはこれを「例えるならだいじろーとゆかいな仲間たち」と語っています。

ただ、JYOCHOはだいじろーのワンマンプロジェクトでは決してありません。

様々なプレイヤーのアイディアから、楽曲が想像とは違う方向に出来上がっていく様子も彼は楽しんでいるようですよ。

だいじろーが提示する主題があって、そこに異なるプレイヤーの感性が絡まって出来るのがJYOCHOのサウンドなのですね。