【森昌子/越冬つばめ】歌詞の意味を徹底解釈！ヒュルリとないているのは誰？綴られているのは切ない恋心！

二人だけで過ごす時間を大事にしたい。

外は風が吹き雪が舞うのであれば、二人で部屋にいることは安心で平穏な時間。

一緒にいる人には訳があって、自分との将来を描くことが許されないと納得しています。

それよりも今が幸せならそれでいい。

結婚や子供のことを周囲は口にするけれど、それは今の私とは無縁な話。

二人で過ごす、この瞬間の温もりさえあれば、私は生きていけます。

目の前にいる相手には、安定した生活があります。家に帰れば暖かい団らんが待っているのでしょう。

それを壊してまで自分は幸せになろうとは、これっぽちも思っていません。

でも今自分が感じている心の痛み。耐えることが段々と難しくなってきた痛み。

今までのように耐えて暮らすのであれば、痛みを分って欲しい。

別れを切り出すような仕種をしても、優しさが隠しきれない相手なのでしょう。

優しさに負けてしまうのは、自分が弱いからかもしれません。

でも今の時間を選んだのは自分。

南の国に戻らないで、冬を越すことを決めたつばめのように、覚悟はできています。

つばめだって、越冬することを自分で決めたはず。

なきがらを抱きしめてもらえるのなら、それも本望です。

道ならぬ恋は相手が浮気でも自分は本気というケースがほとんど。

本気度が高まれば、自暴自棄になりがちですが、それもまた一つの愛なのでしょう。 

止まない風といつまでも降り続く雪。鎮まらない風の音が啼き止むことはありません。

このままいても幸せなんてかけらも手に入らないことは、分かっています。

はたから見れば、煮え切らない恋に身を置く時間は、もったいないもの。

きっぱり忘れてやり直せば、まだ間に合うなんて、アドバイスをくれたりもします。

まだ間に合うって、何に間に合うのか分からない…などと、心の中で反論をしてみます。

今の自分に出来る事はこのままの状態を続けること。明日さえも考えていません。

一度好きになったのなら、とことん好きを突き詰めたい。

自分の思いが相手に届かなくても、好きという真実を貫きます。

明るい方へとは行かない、気が付けば暗い場所で座っている。

暖かい場所に向かうことはしない、寒さに耐えることが正しいことと思っている。

南の国に帰ることを自ら拒否をしたつばめの姿に、自分を重ねます。

冷え切った心は誰も温めてくれません。

現状を変えないことが、自分にとっての幸福なのに、誰も分かってはくれません。

自分の意志を貫いて飛ぶつばめは、風を切り裂く様に啼いています。

啼く声を泣く声にしないために、唇をかみしめて私は空を見つめ続けます。 

毎年春になると、つばめの訪れを楽しみにしている私です。

雨が降り出す前に湿度が上がると、思いがけない低空で横切るつばめに見とれています。

でも啼き声はあまり気にしていませんでした。

さすがに歌詞にあるような啼き方はしませんが、意志を持って啼いていることは確かなようですね。

寒さが苦手なので、日本で冬を過ごすつばめ探しの旅は、ちょっとムリな私。

暖かい部屋で「越冬つばめ」を聴きながら、つばめに思いをはせ、恋とつばめに春が無事に来ることを祈りたいと思います。

つぎはこれです。耐える恋には厳寒の地が似合う…。

トンネルが出来て新幹線が通っても、海峡は変わらない景色を見せてくれます。