みなしごとは、幼くして親をなくした子供のことを差します。
誰もがいずれは親と死に別れるときが来ます。
そして、親からすれば子供は一生子供です。
そう考えると、わたしたちはみなしごであり、そのわたしたちもいずれは死んでしまう運命です。
ここで抗いたい人は誰なのでしょうか。
親でしょうか、兄弟でしょうか、それとも血縁関係のない人でしょうか。
死ぬというセオリー(理論)に当てはまらない、唯一無二の命を探しているようです。
不老不死を指しているとも考えられます。
親が先立たず、自分がみなしごにならない未来とも想像できます。
錆びた剣を振って守りたい約束
錆びた剣で 受けて立つよ
約束 ラプチャーの光
生きたまま 死ぬんじゃねえぞ
心に ラプチャーの光
出典: ラプチャー/作詞:岩渕想太 作曲:岩渕想太
今度は、剣を振るう人のラプチャーの話です。
約束を守るために、剣を握っているのでしょうか。
剣が錆びてしまっているということは、すでに血で濡れて幾日か経っていると考えられます。
もしくは、しばらく使っていなかった剣を再び握ったとも考えられます。
「生きたまま、死ぬんじゃねぇぞ」というフレーズが非常に衝撃的です。
ラプチャーや光、約束、目指すものが心にあれば、生きたまま死ぬという状態から抜け出せるようです。
生きたまま、死ぬというのは、相反する言葉同士なので想像しがたいところがあります。
しかし、死んだように人であることを失い、喜びも悲しみも何も感じない死人のような人なのでしょう。
光どころか、闇すらも感じなくなってしまうのだと思います。
運命のみなしご
連なる命の 狭間で
未来に届くような 声で叫ぶよ
何千億の神様 一人も
知らない秘密を見つけ出したいよ
出典: ラプチャー/作詞:岩渕想太 作曲:岩渕想太
命は、バトンのようなものです。
親から子へ、子から子へ連なるように渡していきます。
それはまるで、未来へと思いを託すかのようです。
叫んだ声が望むのは、誰も知らない秘密でした。
何千億の神様も知らない秘密は、どんな秘密でしょうか。
その秘密は、何でも知っている神様でも知らないものです。
だからこそ、見つけ出してみたいですよね。
誰も知らない秘密というものを。
また見えなくなった
また見えんくなった どこにあんだ
夕闇 ラプチャーの明かり
安定を羨望 未だ不戦勝
見えるか ラプチャーの明かり
生きたまんま 死ぬんじゃねえぞ
ラプチャーの
出典: ラプチャー/作詞:岩渕想太 作曲:岩渕想太
朝霞でかすかに見えていたラプチャーの光は見えなくなってしまったようです。
時刻は夕闇の頃です。
もう自分自身ですら見えなくなってしまう頃です。
さらに、“また”といっているので、もう何回か見えなくなっているとも捉えることができます。
“羨望”とは、「自分が持っていないものを羨ましく思う」という意味です。
隣の芝生は青く見えるのと同じように、他の人のものが良く思えるときがあります。
安定を望むだけでは、負け知らずの不戦勝でした。
「見えるか ラプチャーの明かり」は、自分自身にもこの曲を聴いているあなたにも問いかけているようです。
そしてまた強く「生きたまま、死ぬんじゃねぇぞ」と歌い上げます。
ともに歩いていこうぜ
誰もが運命のみなしご
掬い上げた その手を拒んで
反重力でもいいよ 飛び出せ
この歌とともに 歩いて行こうぜ
出典: ラプチャー/作詞:岩渕想太 作曲:岩渕想太
あなたもわたしも、みんな、運命のみなしごです。
助けたように掬い上げたその手を拒否して、飛び出します。
飛び出す先は決まっています。
ラプチャーの光のもとです。
時には、物の重力をコントロールする超能力にも頼ります。
そして、「生きたまま、死ぬんじゃねぇぞ」という強いメッセージが込められたこの歌ともに歩き出します。
朝霞や夕闇で見えなくなったラプチャーの光を目指します。
反重力があれば、霞や闇なんてすぐ振り払って光に届くでしょう。
そして、神様でも知らない秘密もきっと引き寄せられるのでしょう。
想像するだけで、ワクワクするような魅惑的な歌詞でした。
そして最後に“この曲とともに歩いていこうぜ”と前向きに終わります。
この曲がまるで、ラプチャーへの道しるべのようです。