この考え方が現代科学に当てはめても正確か?という疑問はさておき、本質は捉えていると思います。

まず、人は集団を作って生活してきた動物なので、他者との関わりなく生活することは不可能なのです。

好きで1人で生活している人もいるかもしれませんが、それでも完全に他者を切り離すことはできません。

歌詞の主人公は、Bメロの3行目でこのことに気がついたのでしょう。

さらにアリストテレスは集団に所属することで、個人が完成するともいっています。

もっと噛み砕いていえば、他者と関わらず1人で生活しても、真の幸せは得られないということでしょう。

他人と関わるとストレスが溜まることも多いかもしれません。

それでも、人間である以上それは避けられないと歌っているのだと思います。

何もない!?サビの歌詞を解釈

最初の方がよかった?

なあ~んにもないじゃないか~
ぼくらにはなにもないじゃないか~
なあ~んにもないじゃないか~
はじめはみんな何もなかったのに~

出典: なあ~んにも/作詞:爆弾ジョニー 作曲:爆弾ジョニー

ずっと同じことを歌っているようで、AメロBメロを考慮して考えるとかなり深い歌詞だと思います。

まず、いろいろとつめこんできたものの、みんな何も身についていないということが窺えます。

今も昔もずっと“ゼロ”で変わらないのに、みんな何を身につけた気になっているの?

そんな痛烈な問いかけのようです。

頭にいくらつめこんでもたかがしれている。

人間の本質は変わらない。

そんなメッセージがあるのでしょう。

さらに4行目の歌詞は、はじめの方がよかったと受け取れます。

どうせ何も変わらないなら、何もつめこんでいない最初の状態の方がよかったということでしょう。

今と最初の微妙な違い

最初の行と最後の行は、若干ニュアンスが異なります。

何も持っていないだけの状態から、どうにもならない状態に変化したと考えられるでしょう。

つまり、無駄な考え方などを得たばかりに、大切なものを失ってしまったということです。

それならば、最初から何もしないほうがよかったのではないか?

そんな主人公の心情が考えられます。

もはや取り返しがつかない

そういった状態を歌っているのです。

物はないけれど人と人の結びつきがあった時代から、物は溢れているけれど人の交流が少なくなった時代へ。

もっと広く捉えればこのような解釈も可能ではないでしょうか。

そう考えると、この曲は主人公1人の嘆きのようで、人類全体の悲劇を歌っているようでもあります。

何かを手にした状態と、何も持っていない状態。

どちらが幸せか比べることなんて、できないのかもしれないですね。

希望を歌った2番の歌詞

他人を理解する困難さ

人の考えてることなど ぼくにはさっぱりわかりません
だけどうれしい気持ちそれはきっとわかち合えるよ

出典: なあ~んにも/作詞:爆弾ジョニー 作曲:爆弾ジョニー

他人と関わりあうことが必要だと悟っても、他者を完全に理解できることはありません。

ときには自分と考え方が真逆の人物に出会うこともあるでしょう。

自分が個性的な性格だった場合、同じ思考回路の人は周囲に1人もいないという事態も考えられます。

そんな状況では、頑張っても理解してもらえないことも多いでしょう。

そのときに、全然理解ができないという気持ちが湧き起こってしまったのではないでしょうか。

自暴自棄になってしまったような、むしゃくしゃしている気持ちです。

しかし、人との交流を考え方が合わないからといって、あきらめてしまっては解決になりません。

分け合うことの大事さ

主人公は2行目で、しっかりと答えを出しています。

うれしい気持ちは普遍だというものです。

普遍的だからこそ、みんなと分け合うことができます。

そうすれば、何もない状態の中でも、楽しく生きていけるのではないでしょうか。

力強く、ストレートなフレーズですね。

心に響いてきます。

ラストの叫び

なんにもないよお~

出典: なあ~んにも/作詞:爆弾ジョニー 作曲:爆弾ジョニー