いつも近くで からかい合って 誰より話しやすいと言われて
本当は泣きたくなってたよ どうして自分の気持ち 気付けなかったの
出典: 好きな人/作詞:奥華子 作曲:奥華子
どうやら自分の気持ちに気づいたのは最近のようです。
前から仲は良く、普通に気の合う友達だと思っていた彼。
しかし彼の言動に心を動かされたり、彼の優しさに触れていくうちに気持ちに変化が表れ始めます。
そしてついに彼が好きなのだと気づいてしまうのです。
その途端、彼の優しさや言動で喜んでいた感情は逆向きになってしまいます。
私が好きになってはいけない人だから、これ以上好きになりたくない。
しかし彼の言葉でどんどん好きになってしまう。
この誰にも言えない秘密の感情を胸に抱え、彼女はどうすれば良いのか分からなくなってしまっているのです。
嘘で塗り固めていく自分の感情
きっと二人は お似合いだよと 平気な顔をして嘘をつく
何も出来ずに 見ているだけの 弱虫な私が大嫌い
出典: 好きな人/作詞:奥華子 作曲:奥華子
友達に対して自分の気持ちを隠し、思ってもいないことを言わざるを得ない状況。
ここでは主人公の胸が締め付けられるような苦しみと辛さが滲み出ています。
自分も彼のことが好きなのに、友達との恋仲を応援しないといけない矛盾。
友達に嘘をついてしまっている罪悪感と自分の気持ちに正直になれないもどかしさを感じます。
どちらの感情も誰に話せるわけでもなく、自分の中に留めておかなければなりません。
自分の中にどんどん積もっていくフラストレーションは次第に大きくなっていきます。
そしていずれ自分を飲み込み、「悪いのは自分 」「私なんて」と自重してしまうのです。
禁断の恋だからこその苦しみ。
分かる人にしか分からないこの感情は、経験者ならより大きな共感が生まれてくるのではないでしょうか。
この歌詞からは、同じ苦しみを味わっている人への仲間意識を覚えさせます。
その苦しみは1人で抱えなくても良いのだと。
同じ悩みを持った人もいるし、どれだけ苦しいのかも分かってあげられるよ。
上野優華と奥華子の、同じ境遇の人を思いやる優しさがここからは感じ取れるのです。
ラストのサビから伝わる主人公の苦悩と本当の想い
過去形で綴られていた想いの理由
好きな人はあなただった 好きな人はあなただった
好きな人はあなただった 私の心は あなたでした
私の心は あなたでした
出典: 好きな人/作詞:奥華子 作曲:奥華子
最後のサビ部分の歌詞です。
歌い出しの歌詞同様に、溢れんばかりの想いが過去形で綴られています。
歌詞の意味を読み解いていくと分かったのは、この想いは過去形ではないということ。
確かに綴られている文は過去形です。
しかし主人公の想いはまだ終わってはいません。
終わるどころかさらに気持ちは募り、好きという感情を抑えきれなくなっているほどなのです。
過去形である理由。
それは自分に言い聞かせているのでしょう。
「もう終わった恋なのだ」「早くこの気持ちよ鎮まってくれ」 「この恋は諦めよう」。
自分に言い聞かせることで想いを失くそうと奮闘しているのです。
それは大事な友達のため。
これからも関係を続けていきたい友達のことを想い、自分の気持ちに嘘をつき続けることを覚悟しているのです。
終わらせようと思えば思うほど募る想い
しかし主人公の想いは、願いとは逆の方向に動いていっているのではないでしょうか。
諦めよう諦めようと思えば思うほど、気持ちはどんどん大きくなっていくのです。
彼が好き。
その純粋無垢で綺麗な感情は簡単に汚すことはできないのです。
何を考えていても思い出すのは彼の言葉や、笑顔、些細な仕草。
主人公は彼の魅力の虜になってしまっているのです。
まさに恋に焦がれてしまった主人公。
ラストのサビではもらい泣きするような切ない想いが込められていたのです。
好きだけど好きになってはいけない。
その感情が全て詰まった歌詞がラストに綴られていたのではないでしょうか。
上野優華【好きな人】の歌詞解説〜まとめ〜
涙するほど切ないラブソング
この楽曲は恋に焦がれた主人公の禁断の恋路を描いた切ないラブソングでした。
主人公の心情が繊細に表現された歌詞は、感情が伝わりやすく共感しやすかったのではないでしょうか。
これこそがこの曲の魅力なのです。
なかなか理解してもらえない特別で秘密の感情。
誰にも打ち明けることもできずに1人で抱えるのは精神的にも自分を追い詰めてしまいます。
そのような人たちに向けた励ましと寄り添ってくれるような優しい温かさ。
この楽曲を聴いているとどれだけ禁断の恋をしていて辛い気持ちでも頑張ろうと思わせてくれるのです。
1人ではない。
横には上野優華と奥華子がずっと側にいて、撫でてくれているような感覚を抱かせるのです。
好きな人ができた時に是非この曲を聴いて欲しい。
すると自分の気持ちと素直に向き合うことができるようになるのが【好きな人】という楽曲なのかもしれません。
オススメ楽曲紹介
当サイトOTOKAKEでは他にも数多くの「恋愛」に纏わる記事を掲載しています。
今回紹介したのは【上野優華】の【好きな人】でした。
そして恋愛繋がりで【sumika】の【あの手、この手】という楽曲を紹介させていただきます。
この楽曲は男女の心模様を描いた1曲。
2人の気持ちのすれ違いと感情の差が分かりやすく描かれています。
女性シンガーソングライターと男性ボーカルバンドの織りなす掛け合いに魅了されることでしょう。
この楽曲に込められた想いと意味を歌詞から読み取っていますので是非チェックしてみてください!