愛してるって
言葉じゃなくて
手を繋ぐこと
忘れてたから
知らない間(ま)に
心逸(はぐ)れてた
出典: リフレイン/作詞:Yasushi Akimoto 作曲:Yuta Nakano
言葉は確かに伝えていた。
でも、行動で示すことができなかった。
いわゆる「口だけ」な状態を振り返る主人公。
物理的な距離と心理的な距離は異なるものです。
物理的な距離は把握しやすいもので、離れていても容易く近づくことができます。
しかし、それだけで安心してはいけません。
より重要なのは、むしろ心理的な距離なのですから。
この距離は目に見えないものなので、意識していないと分かりません。
相手を大切にしようという愛。
ギブ・アンド・ギブで、自己犠牲的で奉仕的な優しさ。
こういったものが不足していると陥る「心ここに在らず」な状態。
心と心が離れてしまうのも納得がいきます。
主人公は失って初めて、最も大切なことに気づくのでした。
ぬけがらになった主人公
やり直すって
始めるよりも
難しいこと
流れた時間(とき)の
岸に立って
やっと わかったよ
出典: リフレイン/作詞:Yasushi Akimoto 作曲:Yuta Nakano
恋人とつき合っていた頃を思い出す主人公。
「この時こうすれば良かったのかな」と、過去の反省がこみ上げてきます。
そしてもしやり直せるとしても、スタートはゼロではなくマイナスからになります。
先の展開に大きな困難が待っていることは目に見えています。
このように過去と未来を行き来し、思想する。
そんな状態の主人公は「今」を生きていません。
どこか現実逃避にも近い様子は「ぬけがら」に例えることができます。
仲間もきっと声をかけにくいことでしょう。
解決できるのは、自分自身の力か、それとも時間の経過か、はたまた運か。
答えを知る者など誰もいません。
ただ繰り返すだけ
Regret
繰り返すよ
出典: リフレイン/作詞:Yasushi Akimoto 作曲:Yuta Nakano
曲名の意味の核心が、この一節に記されています。
主人公が繰り返しているのは、過去の自身の言動、元恋人に対しての懺悔。
放心状態でまともに思考ができない彼にできる数少ないこと。
その1つが、同じフレーズをただ「リフレイン」することなのです。
止まった時間、失った自信
リフレイン…リフレイン…
思い出を歩いたら
すれ違うだろうか?
君に…
リフレイン…リフレイン…
もう一度 出会ったら
愛し合えるか?
二人…
出典: リフレイン/作詞:Yasushi Akimoto 作曲:Yuta Nakano
歌詞「…」と「?」の多さが、彼の自信の喪失感を物語っています。
今回の過ちを知った上で、もし過去にもう一度戻れる魔法があったとしたら。
でも、そうなったところで再び同じことを繰り返してしまうだけではないだろうか?
過去に戻れないとして、もう一度出会えるチャンスがあったとしたら。
でも、そうなったところで愛し合える根拠なんて一体どこにあるのだろうか?
本来、人間が想像する「If…」の世界では成功する自分を思い描くものです。
それすらできないほど、自分自身を変えることができず追い込まれている現状。
彼の中で時が止まり、成長も停止しているのです。
諦めがポロリ
So it's raining. Its' raining.
降り出したこの雨に
濡れてないだろうか?
君は…
So it's raining. Its' raining.
大きめの傘の中
しあわせでいて欲しい
出典: リフレイン/作詞:Yasushi Akimoto 作曲:Yuta Nakano
外で途方に暮れている主人公の肌に、水分が触れる感覚。
パラパラと雨が降り出してきました。
同じ世界、きっと物理的な距離では近くにいる元恋人の所でも降り始めていることでしょう。
そんな彼女のことを心配しながらも、彼女を雨から守ってあげる資格なんてない。
もっと素敵なお相手と、相合傘をして笑う彼女の姿を願います。
ここで初めて、他の男性という存在が現れます。
僕じゃダメだ、他にもっと良い人がいるはずだ。
どこか諦めのような雰囲気が漂っています。