待ってる気持ちを相手に伝えたい
You know I'm wating for you to come back
返事を聞いてよ
You can't imagine how much I'm missing you now
影が消えるよ
出典: The Hardest/作詞:milet・Daisuke Nakamura 作曲:milet・TomoLow・Daisuke Nakamura
端的に言ってしまうと、かなりぼんやりとした内容の歌詞ではあります。
しかしだからこそ、心の中を描写するのに適切なのかもしれません。
何を感じているかは、なかなかはっきりとは表現できないものです。
ここにある「返事」というのはおそらく、サビにおける私の主張のことではないでしょうか。
「簡単にいうけれど、そういうわけにはいかないのよ」という、心情です。
私がどう感じているか相手は聞かない、あるいは聞けない状況にあるのかもしれません。
だから、相手を求める私の強い気持ちにも、想像が及ばないのです。
そういう状況が長く続くとそんな気持ちも消えてしまうかもと、私は不安を覚えています。
私を独りぼっちにしないで
【The Hardest】において、二度目のサビが訪れます。
一度目とほぼ同様ですが、こちらではさらに歌詞が付け加えられているのが特徴的です。
英語の一文ですが、訳すと以下のようになります。
「つまり、私のことを一人で行かせないでってことよ」
抱きしめてほしいのに、その願いは聞き届けられていません。
そこでダメ押しして、もっと私のことを考えてよと強調しているのかもしれません。
その証拠に、このサビの最後の歌詞も、少し変化が加えてあります。
その言葉は、「もう」です。
いい加減に私を独りぼっちするのは止めてよという、切ない気持ちが窺えないでしょうか。
MVではmiletが空中浮遊をし、それを弱いスポットが追いかけてきます。
その不安定な動き、曖昧なライティングを通して、不安な気持ちをも感じ取ることができます。
「抱きしめてほしい相手」への気持ちが爆発する
曲調が一変し、【The Hardest】で一番強い思いが吐き出されるシーンが続きます。
殺風景な草原から、舞台は再び海辺へと戻ります。
厚い雲に覆われた夜の空と、白い波を絶えず送り出す海。
見る者に心許なさを与えるような景色を背に、miletが叫ぶように歌うのです。
過ぎ去った時間に戻りたい
I only want you to stay beside me
遠ざかった朝を待ってる
ねぇ教えてよ What am I to you?
出典: The Hardest/作詞:milet・Daisuke Nakamura 作曲:milet・TomoLow・Daisuke Nakamura
「私」は、愛する誰かに多くを望む気はありません。
ただ、自分の傍にいてほしいだけなのです。
「あなた」のいた幸せな時間、一緒に迎えた朝に戻りたいだけなのです。
そして、自分が相手にとってのどんな存在だったのかも、知りたいと強く願います。
「ねぇ」と語りかけるように尋ねるのは、答えが返ってこないのを知っているからでしょうか。
もう聞けない答えだからこそ、なおのこと知りたいと思うのではないでしょうか。
記憶の中であっても傍にいたいと強く願う気持ち
How many times should I cry?
I'm begging you
まだ思い出していたい
My love is for you
出典: The Hardest/作詞:milet・Daisuke Nakamura 作曲:milet・TomoLow・Daisuke Nakamura
今はもう傍らにいない相手への切ない気持ちは、なおも紡がれます。
「どれくらい泣けばいいの?」「お願いだから」と、訴えは強くなります。
たとえ記憶の中でしか会えなくても、私は忘れたくないのでしょう。
自分の愛は「あなた」に対するものだから、そうであっても傍にいたいのです。
こちらでは、MVの演出にも注目してみることをおすすめします。
それまで引きで撮られていたmiletが、アップになります。
彼女の表情がはっきりと分かって、より訴えかける心情を表現しているかのようです。
今じゃなきゃ抱きしめることができない
三度目のサビパートを迎え、いよいよ様々なことが核心に迫ります。
サビの歌詞は最初のパートと同じですが、そこに載せられた思いはより明確です。
「私」はどこかで、感じ取っているのではないでしょうか。
今でなければもう、抱きしめてもらうことはできないのではないかということをです。