SEKAI NO OWARIの展覧会テーマソング

SEKAI NO OWARI【tears】歌詞を解釈!なぜ嬉しいことが悲しい?悪い顔を思い出す理由はの画像

SEKAI NO OWARIが2021年7月、また新たな作品を発表しました。

彼らが開催する大型展覧会のテーマソングでもあるその楽曲は「tears」。

カントリーミュージックのように優しいテンポのメロディラインです。

メロディだけを聴くと前向きな楽曲に聞こえますが、そのリリックはとても繊細。

むしろリリックだけを見ると、タイトル通りに涙がこぼれてしまうほどです。

そこでは、出会いと別れが、優しく切なく描かれています。

SEKAI NO OWARIらしい表現法も多いこの楽曲

切なく寂しい心、そしてそれを明るく受け止めようとする心の両方を感じます。

ほろ苦いビターチョコのような

tearsでは、大切な相手との別れを経験した「僕」の心の内が描かれています。

最初は、互いにけん制し合っていた彼等。

いつの間にかそんな相手と「」は、心を許し合っていました。

しかし、無情にも彼らは引き裂かれてしまうのです。

いつかは誰もが行く、その場所にいってしまった相手。

その相手に心で語りかける「僕」。

優しく紡がれるリリックは、とても優しくそして切ない心が描かれています。

想い出を振り返り、そして隣にいない寂しさを詠う。

相手と分かり合える嬉しさと、その相手と会えなくなる寂しさ。

甘さと苦さを両方味わうかのような経験です。

まるでほろ苦いビターチョコレートのように、聴く人の心へその涙が届きます。

tearsの歌詞を深堀

出会いは最悪?

初めは嫌いだった 君が僕を嫌ってそうだったから
君も同じだったと聞いたのは そのずっとあと

出典: tears/作詞:Fukase 作曲:Fukase,Nakajin

話したわけじゃないけど、あの人は私のことが嫌いだろうな。

そんな風に感じたことはありませんか?

話していないから、確実ではないのですけれど。

でも、なんだか目線や話し方、態度で感じることがある。

そんな経験はだれしもあるものです。

そして、不思議なことにそう思っているときは、相手も同じように思っているもの。

何が、という具体的なことは無いのです。

何となく相手が自分を嫌っているように感じると、負けじと自分もそう思うことが多い。

つまり、この2人の出会いは最悪だったといえましょう。

ただし、こういったときは大抵が、同じ穴のムジナ。

似た者同士である場合も多いものです。

今の関係性とは

調子はどうだい 飯は美味いかい wi-fiはあるかい
返事がないから 無いんじゃないかと思っているけど

出典: tears/作詞:Fukase 作曲:Fukase,Nakajin

嫌いなんじゃないかと思い合っていたお互いは、いつしかその距離を縮めています。

調子を心配し、毎日食べるであろう飯が美味いのかまで。

そして、連絡は取れていません。

相手からの返事がないのです。

しかし、常にインターネットサービスの張り巡らされたこの世界。

例えwi-fiが無かろうとも、よほどのことがない限り返事がないというのはあり得ないものです。

例えば、相手の連絡先が変わったという場合。

そしてもうひとつ。

相手がここではない、違う世界にいってしまった場合です。

未知なる場所で君のガイドを

誰もがいつかは行くところ

僕もいつか行く予定だけど
君がちゃんとガイドしてくれよ

出典: tears/作詞:Fukase 作曲:Fukase,Nakajin

様々な別れが世の中にはあります。

この楽曲の中に登場する2人を別つのは「死」ではないでしょうか。

もちろん、恋人同士が破局することもあります。

そして仲の良い友がそれぞれの事情で別の土地で生活する場合もありましょう。

ただ、この楽曲の別れはそれとは少し違うようです。

その理由が「僕もいつか」と表現された部分。

誰もが必ず行くその場所に、君はいってしまったことで別れてしまったのです。

人は生まれた以上、誰もがいつか「死」を経験します。

その世界は誰もどのようになっているのか分からない世界です。

つまり、僕もいつか行く予定の場所に、君は逝ってしまったのでしょう。

そして僕は少し強がっています。

先に逝った君がガイドしてくれるなら、不安もないよ。

そう語りかけています。