思い出の時期はいつ頃なのか?

歌詞の中の恋人同士は何歳くらいなのでしょうか。

恋人だった2人の行動を歌詞の中から考察してみると、おそらく10代後半から20代くらいかと思われます。

たわいもない事でLINE
スタンプやり合い
眠くても話し込んだり
おでこくっつけて笑ったり

「おやすみ」のTEL
「そっちが切って」
毎晩どちらも譲れなくなって
ジャンケンして決めてたな
僕ら いつも 何時だって
会いたくなれば すぐに部屋着のままで
急いで家に向かったな

出典: 3分30秒のタイムカプセル/作詞:遊助 作曲:Cube Juice

「LINEでのスタンプの送りあい」

「お休み前の電話をどっちが切るかのやり取り」

「部屋着のままで会いに行ける距離」

といった歌詞を見ていくと、2人にとって初めてに近い恋人だったのではないでしょうか。

まさに恋人同士の過ごし方といえばこれ!というような2人の姿が見えてきます。

とても初々しくて微笑ましい2人です。

それほど仲の良かった2人の思い出が、耳に挿したイヤホンから流れてきた曲によって解き放たれていくのです。

解き放たれた思い出は彼の感情をどう変化させるのか?

この曲を聴いて好きだったあの人を思い出した彼の感情はどのように動いていくのでしょうか。

思い出がもたらす彼の感情の動きに迫っていくことで、遊助がリスナーに伝えたい深い思いが見えてきます。

思い出がもたらす彼の感情の動きを読み取っていきましょう。

思い出に苦しむ

思い出の曲がイヤホンから流れてきた時の彼は衝撃を受けています。

僕の体震わせたの
青になっても 動き出せない

出典: 3分30秒のタイムカプセル/作詞:遊助 作曲:Cube Juice

この言葉からその衝撃は明らかです。では彼を震わせるほどの衝撃とは何だったのでしょうか。

それは次の歌詞の中で明らかにされています。

愛していた
愛されてた
当たり前だと思ってた
何気ない仕草 君の香りも
もしかしたら
聞かなかったら
思い出す事もない
何でもない日々が幸せなんだろう

出典: 3分30秒のタイムカプセル/作詞:遊助 作曲:Cube Juice

最後の行のフレーズに注目してください。

このフレーズはいい換えれば、好きだった彼女と別れた現在を指しています。

そして彼は現在のありきたりの日常が幸せだといっているのです。

つまり曲が流れ始めた時点では、思い出の曲を聴いてしまったことに苦しみを感じているといえます。

「この曲さえ聴かなければ、思い出すことはなかったのに」

「この曲を聴かなければ苦しむことはなかったのに」

「この曲を聴かなければありきたりの今が幸せと思えたのに」

こうした彼の心苦しさが感じ取れます。

愛しくなる思い出

しかし大好きだったあの人を思い出した苦しさは徐々に解放されていきます。

それが分かるのがこのフレーズです。

何でもない日々が愛しくなるんだろう

出典: 3分30秒のタイムカプセル/作詞:遊助 作曲:Cube Juice

1行目のフレーズは先ほどと同じでありきたりの日常を表していますね。

そんなありきたりの日常を今度は愛しく感じています。

なぜ愛しく感じ始めたのでしょうか?

それは大好きだったあの人が心の中に浮かんできたからです。

好きだったあの人を思い出すことによって、当時の思い出を美しいものとして捉え始めているのがわかります。

しかしここではまだ「過去の良い思い出」という程度の漠然とした思いにしか見えません。

曲が流れ始めた時の苦しい感情からは変化していますが、思い出はここから更に彼の感情を焚きつけていきます。

輝かしい思い出