人を想うから孤独になる
夢を想うから不甲斐なくなる
生まれたから死が訪れること
光があるから見えてしまうもの
そうやって僕らは一つ一つを
確かめながらも生きている
出典: Mement Mori/作詞:福島由也 作曲:福島由也
誰かと一緒にいたいという気持ちがなければ、孤独を感じることはありません。
大きな理想を思い描かなければ、それを叶えられていない自分に不甲斐なさを感じることもないでしょう。
ならば大切な人などいなければいいし、理想など持たない方がいいのでしょうか?
もちろんそんなことはないですよね。
大切な人もいない、理想も思い描かない人生が面白くなるはずがありません。
孤独を感じるからその人が大切だということがわかるし、不甲斐なく感じるから理想に向かって頑張れるのです。
いつか死んでしまうということもこれと同じ。
いつか死んでしまうということを想うとき、人はより懸命に生きることができるようになるでしょう。
いつか死んでしまうとしたら、身を守ることがそんなに大切か?
生きる為生きていたってさ
いつかは死んでしまうから
あらゆる不安や 畏怖の意味の無さに
笑ってみせるがいい
出典: Mement Mori/作詞:福島由也 作曲:福島由也
「生きる為生きる」というのは、ただ生きていくためだけに日々を過ごしていくという意味でしょう。
何かに挑戦する人生を送ろうとするときっと不安は付き物です。
怖い思いをするぐらいなら、挑戦しない方がいいと本当にやりたいことを諦めてしまう人もきっといるでしょう。
しかしよく考えてみてください。
いつか死んで全てなくなってしまうとしたら、挑戦して失敗したとしてそれも全部帳消しです。
それなら身を守ることよりその挑戦や失敗から、今感じられることの方が大事なことだとは言えないでしょうか。
一人一人がかけがえのない人生を送っている
異なる凹凸を 受け入れるということ
君にはあって僕にはないもの
時間さえもが等しくないけど
銘々のスピードで 銘々の今日を行け
そうやって僕らは一つ一つを
乗り越えながらも死んで行く
出典: Mement Mori/作詞:福島由也 作曲:福島由也
生まれた環境や過ごして来た時間、すべてが同じだという人は世界中どこを探しても存在しないでしょう。
まったく同じ人間というのは存在しないのだから、それぞれに価値観は違って当たり前です。
それゆえにすれ違ってしまうこともあるのですが、だからこそ一人一人の存在がかけがえないのではないでしょうか。
自分は自分にしか生きられない今を送っている。
そう思うと何気ない日常も当たり前ではないということを感じさせられます。
人生はそうそう上手くいかないから面白い
これ程 浮かぶ手立ての無い日々に
触れて壊して 触れて壊して やってきたんでしょう
そうやって僕らは一つ一つを
乗り越えながらも生きている
出典: Mement Mori/作詞:福島由也 作曲:福島由也
「浮かぶ手立ての無い日々」というのは、そうそう人生上手くいくものではないということを表す表現ではないでしょうか。
そんな日々の中で、あーでもないこーでもないと繰り返しもがきながら誰もが人生を過ごしていく。
それって当たり前のようでいて、すごく素敵なことだと思いませんか?
簡単に上手くいく人生なんてきっと面白くありません。
それぞれに懸命にもがいてきた結果が表れるから、そこに輝きを感じられるのです。
この歌には願いが込められている
生きる為生きていたってさ
いつかは死んでしまうから
あらゆる不安や 畏怖の意味の無さに
笑ってみせて欲しい
いつかは死んでしまうなら
大したことなど無いから
あらゆる不安や 畏怖の意味の無さに
笑ってみせるがいい
想えいつかの死
出典: Mement Mori/作詞:福島由也 作曲:福島由也
最後のサビで歌われる歌詞は、ほとんどが繰り返しになります。
しかし印象深いのは「笑ってみせるがいい」と歌っていたのを「笑ってみせて欲しい」と言い換えているところ。
「笑い飛ばしてやろうぜ!」というニュアンスが込められていた前半はいかにも「そっちの方が楽しいよ」と誘っているような印象でした。
しかしそれは単なるオススメではなく、そういう人が増えていけばいいという彼らの願いだったのです。
この歌を聴いたたくさんの人が、一歩踏み出した人生を送れるように。
そうやって人に希望を与えられることが、アーティストである彼らの役目だというかのようですね。