西暦11945年からゲームが本格的にスタート。
命からがら逃げた人類は、アンドロイド兵士を製造しました。
アンドロイド兵士は、エイリアンが製造した機械生命体の駆除、地球奪還を目的としています。
人類とエイリアンの代理戦争を通じて、何体も破壊されました。
対峙した敵と戦い、躰が動かなくなった時点で一生を終える…。
アンドロイド兵士の哀しい末路を「~躰」が物語っているようです。
戦争で生まれる悲劇
戦闘を後悔
止まった時計
鳴らない機械
声届かなくて
これが僕の呪い
犯した罪の深さが
出典: Weight of the World/壊レタ世界ノ歌/作詞:ヨコオタロウ 作曲:岡部啓一
戦闘用の機体ではあるものの、感情を持っているアンドロイド兵士。
人格を形成していて、人類と大きな差異がありません。
ゆえに、自身の置かれている状況に疑念を抱くのではないでしょうか。
戦場に出て、多くの機械生命体を駆逐することが使命。
使命を全うする度、死というものを目の当たりにし、生命を奪う行為への抵抗が薄れてゆきます。
これは、非常に恐ろしいこと。
アンドロイド兵士は、恐怖心から改めて戦う意味を考えるのでしょう。
戦闘を「~罪」と記し、アンドロイド兵士の回顧と深い後悔を示しています。
戦争による負の副産物
アンドロイド兵士と人類。
決定的に違う点は、時の流れに合わせて年をとるか否かです。
アンドロイド兵士は、例えパーツが老朽化しても、メンテンナンスを行えば支障ありません。
反面、不用になった場合には、ただの鉄くず。
誰の声も届かない場所に放置されてしまいます。
つまり、どれだけ地球を奪還する計画に貢献したとしても、人類と同様に生きられないのです。
それは、いつまで経っても解けない呪いのよう。
詞を読む中、戦争によって起きる悲劇が脳裏に浮かびます。
平穏な日々は遠く
誰もが望む平和な世界
君の願い
穢れた魂抱く
贖いだけど
出典: Weight of the World/壊レタ世界ノ歌/作詞:ヨコオタロウ 作曲:岡部啓一
そもそもの戦争のきっかけは、エイリアンによる地球侵略。
本来エイリアンと人類が戦争の当事者なのです。
要するにアンドロイド兵士と機械生命体の間に敵対心などありません。
それでもプログラム通りに戦わなければならない両者。
アンドロイド兵士は、ふとした瞬間、自身と酷似した境遇の機械生命体に哀悼の念を抱くのでしょう。
人類は、敗者となった機械生命体を災いの原因として忌み嫌うかもしれません。
しかし、アンドロイド兵士は、亡き骸に寄り添い、魂が天に召されることを願うのではないでしょうか。
そして、せめてもの贖罪として、平和な世界の実現を誓う。
機械生命体の中には、戦闘を好む輩だけではありません。
兄弟と過ごす時間を大切にしている者。美を追求する者。
色々なタイプが存在しています。
もしも平和な世界が実現すれば、機械生命体もアンドロイド兵士も自由な生き方を選べるでしょう。
兵器が量産されず、誰も傷つけない。戦闘を生きる目的としない日常。
それは、人類だけでなく、代理戦争に参加している機体の願いでもあるのです。
人知れず願うアンドロイド兵士たち
重厚感が一気に増すサビの部分。
アンドロイド兵士を「僕ら」と表し、彼らの魂の叫びを描き出しているようです。
そう僕らは今
ああ無価値でも叫ぶ
あの壊れた世界の歌
出典: Weight of the World/壊レタ世界ノ歌/作詞:ヨコオタロウ 作曲:岡部啓一
アンドロイド兵士は、いつでも勇猛果敢に戦場へと向かいます。
それなのに、なぜ「無価値」と卑下しているのでしょうか。
理由は、あくまでも人間の命令に基づいて動くロボットだから。
新しいモデルが開発されれば、旧型の利用価値が低下します。
代替が利く存在なのです。
自らが個体として認識されないことを理解しています。
しかしながら、勇敢な戦士であることは、事実です。
戦場での経験は、誇り。
ゆえに、戦場を「~世界」と表し、人類が体験できない世界での出来事を伝えようとしているのでしょう。
そう僕らは今
ああ無意味でも願う
ただ君との未来を
あの日の笑顔が愛しいまま消えて
出典: Weight of the World/壊レタ世界ノ歌/作詞:ヨコオタロウ 作曲:岡部啓一