言葉にできない感情
消したい過去
繋がった希望と
失いそうな絶望

塞ぎ込んだ世界の外 ほら raise your hands

出典: Gänger/作詞:夏代孝明 作曲:夏代孝明

強い意志を持っていてかっこよく見える「Gänger」の主人公。

しかし内面では不安な気持ちを抱えていたことが、このパートの歌詞から伝わってきます。

主人公にも思い出したくないほど絶望的な経験があったのでしょう。

落ち込んでいた主人公は、自分の外の世界に目を向けます。

そこには明るい光のような「希望」があったのでしょう。

最後の行には「両手をあげて」という意味の英語が出てきます。

まるで外の世界から、主人公に向かって「希望」が語りかけているようにも感じませんか?

その「希望」をつかみとるために、主人公は外の世界に出ていくのです。

「フースゲンガー」はどこにいる?

君とダンスダンス 夜を抜け出して
期待している心 連れ出して
幾星霜の物語を紡いだ
一縷の流星にエールを!
ダウンタウン眺めて 歌って
はしゃぎまわった僕らの完成は
まだ見つからない フースゲンガー

出典: Gänger/作詞:夏代孝明 作曲:夏代孝明

サビの部分は、まるで真夜中の街中を走っていくような疾走感にあふれています。

主人公は「君」の手を取り、ステップを踏みながら夜の街を駆けているのでしょう。

「君」と話していることは、主人公がこれから歩いていこうとしている道の話。

「流星」のような、夢物語のような道を「君」と歩んでいきたいと思っているのでしょう。

主人公や「君」はまだまだ未完成な存在。理想からは程遠い、道半ばの人間です。

最後の行の歌詞「フースゲンガー」という言葉が出てきます。

これはドイツ語の「Fußgänger」という単語。意味は「歩行者」「通行人」です。

「Gänger」が「足」を意味する「Fuß」と組み合わさり、「足で歩いていく人」という意味になっています。

自分の足で一歩一歩進んでいく人。

そんな「フースゲンガー」を探し求めて、主人公たちは歌い続けます。

見えないものと見せたくないもの

夏代孝明【Gänger】歌詞の意味を紐解く!"フースゲンガー"に込められた想いとは?心を開放する1曲の画像

「Gänger」の2番は、自分が求めているものを探しながら歩いていく主人公の姿が印象的。

「見えないもの」と「見せたくないもの」の対比にも注目です。

見えないものを信じろ

心にランプを灯して 形のないモノを探した
自分の目に見えなくても 信じてる

出典: Gänger/作詞:夏代孝明 作曲:夏代孝明

1行目の歌詞から、主人公が真っ暗な場所にいることが想像できます。

主人公は暗闇の中、小さな灯りを頼りに「あるもの」を探しているようです。

「あるもの」とは目には見えない、実態を持たないもの

きっと自分の中にある夢や希望、信念といった、前に進むための原動力となるもののことでしょう。

本当に存在するかどうかもわかりませんが、主人公はそんな「見えないもの」があると信じています

見せたくないものがあってもいい

秘密に善も悪もないさ ジキルとハイドだってそうさ
僕らは見せたくない自分を隠して生きている

出典: Gänger/作詞:夏代孝明 作曲:夏代孝明

1番と同様に、2番にも有名人の名前が登場します。

1行目の歌詞に出てくるのはジキルとハイド。イギリスの文学作品「ジキル博士とハイド氏」の登場人物です。

二重人格がテーマの作品で、ジキル博士と、ジキル博士の中にひそむ裏の人格・ハイド氏の物語が描かれます。

ジキル博士は人間の善を、ハイド氏は人間の悪を表わしている、といわれることも多いです。

しかし「Gänger」では、「誰にだってハイド氏はいる。そこには善悪は関係ない」と歌っています。

人間は誰もが秘密を抱えて生きている。でもそれは悪いことではない。

「Gänger」の主人公はそのように考えているのではないでしょうか。

未来を目指して手を伸ばす

誰もがなりたいヒーロー
乗り越える昨日
塗り替える記録
止まらない熱量

夢見ている未来の方へ ほら take my hands

出典: Gänger/作詞:夏代孝明 作曲:夏代孝明