2014年4月発売「グロテスク feat. 安室奈美恵」
平井堅初のコラボシングル
平井堅の36枚目のシングルとして2014年に発売された「グロテスク feat. 安室奈美恵」。
「フューチャリングに安室奈美恵を迎えた楽曲」としてリリース当時から話題となりました。
平井堅が安室奈美恵にオファーをし、実現しこの夢のようなコラボレーションが実現しました。
発売と同時に大きな話題を呼びました。
誰に向けた曲?
「グロテスク feat. 安室奈美恵」は、その刺さるような歌詞とかっこいいPVで人気に。
そもそも、一体誰に向けたどんな曲なのでしょうか。
当時平井堅はこの曲のインタビューで下記のようにコメントしています。
「生きることに葛藤し、格闘する全ての人への、少々歪んだ応援歌」
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/グロテスク_(曲)
歌詞はどんな意味?
「グロテスク feat. 安室奈美恵」の作詞は平井堅。
Aメロから、心に刺さるフレーズが並んでいます。
目を逸らしたくなる現実
強者に媚びへつらう僕に 醒めた視線が突き刺さる
背中に汗がつたってゆく Someone said 「I hate you」
あのコの甘ったるい声を かわいいと褒め称えてみる
笑い方が死ぬ程嫌い Someone said 「I hate you」
出典: グロテスク feat.安室奈美恵/作詞:Ken Hirai 作曲:Matthew Tishler and Daniel J Plante
最初の2行は平井堅が、次の2行は安室奈美恵が。
それぞれ「男性」「女性」としての「己の醜さ」を歌います。
繰り返される【Someone said 「I hate you」】とは、【誰かが言う、「あなたが嫌い」と】という意味になります。
おそらく、「あなたが嫌い」と言っているのは、私の中の「私」でしょう。
「強者に媚びへつらう」僕と、嫌いな女を「かわいいと褒め称えてみる」私。
それぞれが自分の本音を隠して、周りにいい顔をして生きている…。
こんな経験、きっと誰しもが一度はあるはず。
誰もができれば認めたくない、目を染めたくなる現実。
あえてそこに焦点を絞り、共感性の高い心情を歌詞にするからこそ、より「胸に突き刺さる」歌詞になるのです。
本音と建前の狭間で
素直に生きる美しさを 黒く塗らなきゃ生きられない
出典: グロテスク feat.安室奈美恵/作詞:Ken Hirai 作曲:Matthew Tishler and Daniel J Plante
「素直に生きる」のは美しいことだと、世の中では言われています。
もっと自分をさらけ出して生きていこうよ!!個性豊かなのはいいことだ!
なんて口では綺麗事を言うものの、自分の本音を他人の前に並べて生きることは相当難しいことです。
人は皆、本音と建前を使い分けながら生きています。
現実では、本音だけで世間を渡っていくのは不可能にも近いといえます。
このフレーズでは、そんな美しい生き方を黒く塗りつぶし、建前で自分の周りを固めていないと生きられないという現状を嘆いているのでしょう。