「恋は渾沌の隷也」ってどんな曲?
まずは、この曲の概要から見ていきましょう。
2013年4月24日発売。後ろから這いより隊Gによる『這いよれ!ニャル子さんW』の主題歌。カップリング曲は前作同様劇中挿入歌。
読みは「こいはカオスのしもべなり」。
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/這いよれ!ニャル子さんのディスコグラフィ
独特な世界観の根底「クトゥルフ神話」って何?
アニメ「這いよれ!ニャル子さん」の世界観は、「クトゥルフ神話」を根底に置いています。
クトゥルフ神話は、パルプ・マガジンの小説を元にした架空の神話。太古の地球を支配していたが現在、地上から姿を消している強大な力を持つ恐るべき異形のものども(旧支配者)が現代に蘇ることを共通のテーマとする。
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/クトゥルフ神話
その独特な世界観は、小説だけにとどまらず多くの人々を魅了し続けています。
「恋は渾沌の隷也」にも、クトゥルフ神話に繋がる単語が多く登場しています。
独特な歌詞を徹底解説!
「這いよる」って誰のこと?
這いよりますか? 生のうねり!
出典: 恋は渾沌の隷也/作詞:畑亜貴 作曲:田中秀和(MONACA)
アニメのタイトルにも入っている「這いよる」というフレーズ。
これは、実は主人公である「ニャル子さん」のことをさす言葉です。
実は、ニャル子さんという名は通称に過ぎません。
彼女の本名は「ニャルラトホテプ」であり、神の一柱なのです。
初出はハワード・フィリップス・ラヴクラフトの短編小説『ナイアルラトホテップ(1920年)』。這い寄る混沌と呼ばれる姿は触腕、鉤爪、手が自在に伸縮する無定形の肉の塊と咆哮する顔のない円錐形の頭部によって特徴付けられる。
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/ナイアーラトテップ
ここから、曲中の「這いよる」は、ニャル子さん視点の歌詞と分かります。
続けて、「生のうねり」は何をさすのでしょうか?
うねりは英語に直すと「undulation」(アンデュレーション)となります。
他に「振動」「音波」などの意味を持つ単語です。
これは考察ですが、八坂真尋のことを意味しているのではないでしょうか?
真尋は準主人公ともいえる少年であり、ニャル子さんが思いを寄せる相手でもあります。
宇宙人の目には、地球人がどう映っているか分かりません。
もしかすると、地球人をエネルギーの振動としてとらえている可能性もあります。
科学的には、物質は「固有振動数」というそれぞれの周波数を持つと言われているからです。
宇宙人には宇宙人の、地球人には地球人の固有振動数があるはず。
宇宙人の目から見れば、地球人の振動数が「うねり」のように見える可能性もあります。
恋心に翻弄されないニャル子さん
ここで、もう一度タイトルである「恋は渾沌の隷也」を見てみましょう。
ニャル子さんの別名は、前述の通り「這いよる渾沌」です。
ならば、曲名の「渾沌」もニャル子さんのことでしょう。
隷は「隷属」などと使われるように、つきしたがうというような意味があります。
恋の方が付き従う方なのであって、渾沌は主人です。
ここが重大で、ニャル子さんは恋に翻弄されているわけではないということです。
誰かを好きになると、恋愛感情に振り回されてしまうことも多いのが人間。
しかしニャル子さんは、自分の感情を統制し、真尋と一緒にいるのかもしれませんね。