子供のころや、十代の頃は未来は無限であるように感じられました。
これから先も楽しいことが続き、そして幸せが降ってくると。
大人になり、とにかく毎日、目の前のことを頑張って、頑張って過ごすうち。
今日をやりぬくことが精いっぱいで、楽しむことを忘れていたりします。
過去、現在、未来。
手に入ったものや、入らなかったもの。
そんなもののことを考えているとふと、不安がよぎったり。
でも、それを年齢のせいにするほど主人公はズルい人間ではありません。
現実をしっかり受け止めつつ、諦められないもののことをふと考えてみたりして。
働くオンナゴコロは複雑です。
涙はどう使う
女の武器として涙を流したらそれは反則だけど
そうじゃない涙も「卑怯」になってしまう
茨の道を今日も行け 生きてるだけで丸儲け
出典: 雨のように泣いてやれ/作詞:Nakamura Emi 作曲/Nakamura Emi
嬉しい時、悲しい時。人は涙を流します。
社会で頑張る人にはそれ以外の涙もあるよう。
それはどんな涙なのでしょうか。
だって泣いてしまう
涙は女の武器と言われます。
女の涙には勝てない、そんな言い方をされることも。
恋の場面や、プライベートはもちろん仕事の場面で涙を見せると。
周囲からはなんとなくズルいパフォーマンスに見られてしまいます。
たとえ、本人がそんなつもりじゃなかったとしても。
心から悲しくて、つらくて、悔しくて流した涙さえ。
じゃあ、本当に泣きたい時に女はどうすりゃいいの。と叫びたくなります。
どちらにしても、マイナスに捉えられるなら、流す涙がもったいない。
顔を上げて、前へ。
主人公はどこまでも、強くて、前向きで、繊細で、優しい人であるようです。
傘もいらない
雨のように泣いてやれ
傘なんて素敵な男の子にあげちまえ
雨のように泣いてやれ
へこんだ自分は水たまりにしずめちゃえ
出典: 雨のように泣いてやれ/作詞:Nakamura Emi 作曲/Nakamura Emi
涙にはいろんなタイプがあります。
この曲のタイトル、雨のように、とはどんな泣き方なのでしょうか。
流れるままに
雨のように泣く、それはどんな泣き方でしょうか。
流れるまま、泣きたいままに泣いている。
若しくは、小さなしずくを時々止まったり強くなったりしながら流し続ける。
大人になると人前で泣くことはほとんどありません。
社会人として生きているうちに、いつしか人前で涙を流すタイミングさえ忘れてしまいます。
主人公は、儚げにさめざめと人前で泣ける女性をふとうらやましく思っていたりするのかもしれません。
でもそれはできないから。
たった一人きりで、泣いて、泣いて。
そして、目の前に広がる涙の水たまりを見ながら、落ち込んでいる自分をまた奮い立たせています。
男の子そして女の子
大人の女性が、「男の子」「女の子」という言葉を使うのはどんなときでしょうか。
自分のことを少し茶化して言う時や、男性の子供っぽい部分を見つけたときなど。
なんとなく、かわいらしい又は若い男性、女性というイメージで使うようです。
主人公は自分の流す涙の雨を浴びながら、傘はいらないと息巻いています。
かわいい男の子じゃあるまいし。
なぜ、主人公は素敵な、かわいい、若い男の子とは違って傘がいらないのでしょうか。
涙がもし、社会で生きる人生の悲しみや辛さの化身だとしたら。
主人公はそれから自分を守る傘など持たず、全身で受け止めようとしているようです。
それは、若くてまだ世間の悲しみを知らない男の子や女の子にはできない。
いえ、想像することすらできないコト。
社会で戦い、キャリアを積んだ主人公の、強さと根性が感じられます。
泣いて泣いて
世界で一番いい香りの石鹸で どうせまた洗っちゃうんだからさ
雨女がくれた絶好のチャンスさ 雨に紛れて泣いちまえ
出典: 雨のように泣いてやれ/作詞:Nakamura Emi 作曲/Nakamura Emi