カゲロウプロジェクトとは

カゲロウプロジェクト。略称「カゲプロ」とはボカロPである、じん(自然の敵P)のマルチメディアプロジェクトの事をいいます。
一曲一曲が完結するのではなく、それらは全て続いた長い物語として展開されており、動画サイトには現在もさまざまな楽曲がupされています。

メカクシティアクターズとしてアニメ化も

「カゲプロ」は2014年4月「メカクシティーアクターズ」という作品としてアニメ化されました。
他にも、CD・小説・漫画…等々その独特な世界が様々な分野に広がり、若年層を中心に多大な人気を得ているのです。


この物語は8月14日と15日の間で巻き起こります。

----やけに煩く響く蝉の声。
嘲笑うように揺らめくカゲロウ。

真夏のある日にある街で起こった不可解な一つの事件。そこで繰り返される悲劇……

それらを中心に、不思議な能力を持った少年・少女達の視点が、様々に絡み合っていくのです。

登場人物

鹿野修哉

今回紹介する夜咄ディセイブの主人公。鹿野修哉。通称"カノ”

メカクシ団の団員であり、"目を欺く"(人を騙す)という特殊能力を持っている。
フードのついた黒い半袖のパーカーを羽織っており、大きな吊り目と色素の薄く癖のある猫っ毛が特徴だ。

彼は掴みどころのない性格をしており、常にへらへらと笑みを浮かべているために周りからすれば冗談と本気の区別がつきにくい。
いざという時には非常に頼りになるため仲間たちには大変信頼されている。

カノが感情を吐露するPV”夜咄ディセイブ"

”目を欺く話”

そんなカノが登場する楽曲”夜咄ディセイブ"
今回は歌詞の中で現れる彼の苦悩や考えを私なりに解釈してみました。

タイトル

夜咄とは"夜の暇にする話" ディセイブは”(人を)欺く・騙す。
すなわちタイトルを直訳すれば、「夜は暇だから、誰かを騙そう」という意味になります。

カノが誰かに嘘を吐くのは本当にただ暇を潰すためなのでしょうか…?
歌詞の解釈と共に、徐々に彼の本当の気持ちを紐解いていきたいと思います。

ビバップな浮遊感
夜が次第に乱反射して
ツービートで光って
たまには愚痴っちゃっていいかな

「ねぇ、ちょっと話そうか。
馬鹿な自傷症性なんだけど、
もうなんか収まらない。
ネタ話だって体で一つどう?」

「じゃあ、ちょっと喋ろうか。
僕の非凡でいて妙なとこ
平凡を装った 僕がずっと悩んでいる事」

「十年は経ちそうなある日
『怪物』の声がして
心臓を飲み込んだ
『嘘をつき続けろ』ってさ」

「それ以来、僕は嘘つきで
騙せない人や物も無くなって

『怪物』に成り果てちゃってさ

・・・あぁ、ごめんね!
泣かないで!全部法螺話だよ?」

「オーマイダーティー! なんて醜態!」
僕は誤魔化す なんて言ったって
この本心は不気味じゃない?

偽って、そっぽ向いて、嘘を重ねて
僕は今日もまた 徒然、嘲笑う

ビバップ、消えそうな
夜が嫌いそうな少女にも
ツービート、泣きそうな
嘘が嫌いな青少年にも

そう、もう同じ様に
ちゃちな「理想」がインプットして
心臓を飲み込んだ
それ以来気付いたんだ、僕らは

「単純に理想叶ったとして、
一人ぼっちじゃこの世は生きていけない」

「それも嘘?」
「いやいや、本心だよ?」

崩れそうな脳が「No」で満ち満ちていく

「オーマイダーティー!もっと聴いて!」
僕の心を 我が儘を この嘘を 本物を

「寂しいよ」なんて言った
僕は変わらない

ニヤけそうな程、常々呆れてる

「オーマイダーティー!もう嫌いだ!」
ほら、聴かせてよ
呆れちゃう様な 僕なんて
もう救えない?

『問題ないぜ』なんて言って
君は変わらない

「あぁ、ミスっちゃった」

また不気味な僕に、常々溺れていく

出典: http://www.utamap.com/showkasi.php?surl=k-130529-185

どれが本音?

PVの冒頭に一瞬浮かんでは消えていく言葉。

”嘘を吐くのは得意なんだ”
”でも、本音はちょっと苦手でさ”
”可笑しいね、いつだって…”

”本当の咄(話)が、一番嘘くさいんだから…”

カノは嘘を吐くことが得意であり、反して本当の事を言うのは苦手。
そんな彼が嘘くさいと言い切るほどの本当の話とは、一体どんな事実なのでしょう。

歌詞で読み解く"嘘吐きな少年"の真実

1番Aメロ

ビバップ(ジャズのリズムの様)な浮遊感 夜が次第に乱反射(次第に深まる夜=夜中)して
ツービートで光って たまには愚痴っちゃっていいかな
ねぇ、ちょっと話そうか。馬鹿な自傷症性なんだけど、もうなんか収まらない。
ネタ話だって体で一つどう?

※街頭だけが光る真夜中に、カノはふらふらした足取りで歩いています。
少しの間の後振り向いたカノは、そばに居た誰かに自嘲気味に笑って語りかけます。
「ちょっと話を聞いてくれない?誰かに聞いてもらいたくて堪らないんだ。
 馬鹿な話だと思うかもしれないけど…嘘だと思っていいから、ひとまず聞いてよ」


じゃあ、ちょっと喋ろうか 僕の非凡でいて妙なとこ。 平凡を装った 僕がずっと悩んでいる事
十年は経ちそうなある日『怪物』の声がして心臓を飲み込んだ 『嘘をつき続けろ』ってさ

※その言葉を了承した"誰か"にカノはずっと悩んでいた、自分の普通ではない所を話し始めます。
「今から十年は昔のある日の事、”怪物”が現れて僕に呪いをかけたんだ。嘘を吐き続けなきゃならない呪いをさ」