改めて暴力行為を悔いる
下校の時にボコボコになる
6対1じゃ袋叩きだ
鼻血出ちゃったしあちこち痛い
口の中も切れた
リバウンドを取りに行くあの娘が
高く飛んでる時に
出典: 青春/作詞:真島昌利 作曲:真島昌利
後輩である俺に殴られた先輩。
屈辱を晴らすため、下校時間に俺を待ち構えていたのでしょう。
それも、5人の仲間を引き連れ。
6人で挑まなければ勝てない、徹底的に痛めつけられないと考えたようです。
つまり、俺の腕っ節の強さを認め、慌てて仲間をかき集めたということ。
一方、俺は、心のどこかで袋叩きにされることを覚悟していたのかもしれません。
自分の過ちを受けいれていたからこそ、逃げも隠れもせず、真っ向勝負したのではないでしょうか。
「鼻血」によって改めて痛みを覚え、暴力で何も解決できないことを身に沁みて感じているはずです。
何故あのとき殴ってしまったのだろう。部活動に熱中している生徒がいる一方で、俺は何をしているんだ。
色々な想いが駆け巡り、自問自答するのでしょう。
「リバウンド~高く~」というフレーズによって、俺の後悔の念が印象づけられています。
心に響く名言
言葉が心を傷つける
曲調が変わるCメロ。
人生における教訓が示されています。
心のないやさしさは
敗北に似てる
出典: 青春/作詞:真島昌利 作曲:真島昌利
学校生活では、楽しい出来事ばかりではありません。
悲哀を感じる場面も多々あります。
そのような時、クラスメイトや先生が声を掛けてくれるでしょう。
けれども、上辺だけの気遣いは、さらに心の傷を深くします。
目は口程に物を言う。
このような故事ことわざの通り、瞳の奥から人の本心は自ずと伝わってきます。
心のこもっていない言葉は、嘲笑や侮蔑として受け取ることしかできないのです。
人間は、あさましい生き物。
どうしても自分自身の状況に酔いしれつつ、言葉を口にしがちです。
それでも、本当に大切な人が窮地に落ちった際には、迷わず救出しようとします。
どちらが優劣かを気にすることもなく…。
歌詞は、人間の本質を抉るように綴られていて、深い意味を持っています。
精神的な強さを手に
混沌と混乱と狂熱が
俺と一緒に行く
出典: 青春/作詞:真島昌利 作曲:真島昌利
俺は、これから沢山の物事を学ぶであろう青年です。
いくら尖っていても、どこかにあどけなさが残っています。
学校生活を送る中、人間の汚い部分を知り、絶望する時もあるでしょう。
この世は欺瞞と嘘に満ち溢れているのか?正直に生きるのが馬鹿馬鹿しい…。
目の前の出来事を受け入れられず、負の感情がフツフツと湧き上がってくるのではないでしょうか。
それでも、俺は、全てを飲み込み、前進しようとしています。
「俺~行く」が強い意志を物語っているようです。
夏の到来を感じ
ヒメリンゴが青臭さを表現
青春パンクのサウンドを全面に押し出した間奏の後、Dメロに突入します。
校庭の隅ヒメリンゴの実
もぎって齧るひどく甘酸っぱい
出典: 青春/作詞:真島昌利 作曲:真島昌利
園芸用の樹木・ヒメリンゴ。
3月頃に薄紅色の蕾をつけ、4月~6月に白色の花を咲かせます。
花が枯れてから、子房が紅色の実に…。
ヒメリンゴの実は、甘みが少なく、渋みが強いです。
生食に向いていません。
実を齧る俺は、ヒメリンゴそのもの。
青春まっただ中、甘酸っぱい出来事の連続です。
今この瞬間にしか味わえない出来事を体験し、成熟しようとしています。
大人になると、色々なことを想定し、むやみに挑戦できません。
きっとヒメリンゴの実を口にすることはないでしょう。
俺は、瑞々しい感覚を持っているからこそ、素直にヒメリンゴの実を味わったのではないでしょうか。