少女時代の【ALL MY LOVE IS FOR YOU】
2012年にリリースされた少女時代の『GIRLS' GENERATION II ~Girls & Peace~』。
同年にリリースされた楽曲をはじめアルバム曲としていくにはもったいない楽曲が12曲も収録されています。
少女時代の透き通るような繊細さや力強く、セクシーな9人それぞれの個性ある歌声が堪能できる1枚です。
今回はそんな『GIRLS' GENERATION II ~Girls & Peace~』の中から1曲をピックアップ。
タイトルは【ALL MY LOVE IS FOR YOU】です。
直訳すると「すべての愛はあなたのために」となり、ラブソングであることがわかりますね。
一体どんなラブソングなのでしょうか。
【ALL MY LOVE IS FOR YOU】の歌詞を読み解く
歌詞の世界観を知るために、まずは登場人物を見てみます。
【ALL MY LOVE IS FOR YOU】に出てくるのは「私」と「あなた」です。
主人公は女性で「あなた」のことを想って歌っています。
さらにタイトルでもある【ALL MY LOVE IS FOR YOU】は歌詞中で繰り返されるフレーズ。
そして「どんなに遠くても心はずっとあなたのそばにいる」という意味が込められています。
主人公が【ALL MY LOVE IS FOR YOU】といえるのはなぜなのでしょうか。
大切な人を一途に想う気持ちと、「あなた」がいてくれたから今の私がある。
そんなメッセージが伝わってくる1曲です。
それではここからは1節ずつ歌詞の意味を読み解いていきましょう。
新しい生活が始まった主人公
不安と期待の入り混じった新生活
新しい街で乗った
電車の窓 映った
不安そうな目をした私は
あなたが教えてくれた
自分らしさ忘れないで
いまも輝いているかな
出典: ALL MY LOVE IS FOR YOU/作詞:SEBASTIAN THOTT,DIDRIK THOTT,ROBIN LERNER,JUNJI ISHIWATARI 作曲:SEBASTIAN THOTT,DIDRIK THOTT,ROBIN LERNER,JUNJI ISHIWATARI
ここからわかることは、新しい土地での新しい生活がはじまっているということ。
例えば大学に進学したり新社会人として1人暮らしを始めたり、ということが考えられますね。
そして自分の姿を客観的に見た瞬間、その表情は3行目のように不安を感じていたのです。
新しい土地で新しい生活をスタートしたばかりであれば、不安になるのは当然でしょう。
これまでの生活をガラリと変えているわけですから、手探り状態なのかもしれません。
そんな不安や孤独の気持ちの中でも、4行目から5行目に綴られていることを支えにしているようです。
引っ越してきたであろう主人公。引っ越すときに「あなた」から言われた言葉なのかもしれません。
“自分らしい”というのは自分ではなかなか気がつかないものです。
でも主人公の“主人公らしさ”はどういうことなのかを、きっと「あなた」が教えてくれたことでしょう。
冒頭でこの歌詞の登場人物のお話をしました。
全体を俯瞰してみれば男女の恋愛のように思えますが、たとえば親子愛ということも考えられますね。
どんなストーリーを作り出すかは解釈次第。
新しい生活、新しい環境＝家族のもとから巣立った娘という解釈も面白そうです。
ですが今回はあくまで恋愛ソングとして進めてみましょう。
いるはずのないあなたの存在を探してる
流れてく景色
ふと深呼吸して 見上げた空の果て
あなたの声がした
出典: ALL MY LOVE IS FOR YOU/作詞:SEBASTIAN THOTT,DIDRIK THOTT,ROBIN LERNER,JUNJI ISHIWATARI 作曲:SEBASTIAN THOTT,DIDRIK THOTT,ROBIN LERNER,JUNJI ISHIWATARI
動く電車の中から見える景色は見慣れない景色です。
この先のことを考えると、ふと孤独を感じてしまう瞬間かもしれません。
新しい環境が不安で、心細くて寂しい。
そんな気持ちが伝わってくるようです。
そして2行目で空を見上げたのはもしかしたら涙が流れないように…だったかもしれません。
心細さから涙が溢れ、でも1人だから泣くわけにもいかず唇を噛みしめます。
そして溢れた涙がこぼれてしまわぬよう、空を仰ぐのです。
そんな主人公の姿が想像できるようですね。
無意識に探すのは「あなた」の声。これは、もう一度背中を押して欲しい気持ちが感じられます。
「あなた」の言葉を支えにしてここまで来たけれど、少しだけ心が折れそうになっているのかもしれません。
聞こえるはずのない「あなた」の声を探し、いるはずもない「あなた」の姿を探すのです。
最後の1行は実際に聞こえたわけではありません。
聞こえたような気がして、安心できたという気持ちの表現ではないでしょうか。
でも大丈夫、心は近くに感じてるから
※繰り返し
遠く離れていても
目を閉じればほら 心はそばにいる
All My Love Is For You
Nothing Left To Loose
誰よりも愛の意味を力を知っているから
出典: ALL MY LOVE IS FOR YOU/作詞:SEBASTIAN THOTT,DIDRIK THOTT,ROBIN LERNER,JUNJI ISHIWATARI 作曲:SEBASTIAN THOTT,DIDRIK THOTT,ROBIN LERNER,JUNJI ISHIWATARI
そして主人公は思うのです。いつでもそばに感じることができると。
距離があっても、主人公は確かに「あなた」の存在を身近に感じていることが分かりますね。
声が聞こえなくても、姿が見えなくても、心は繋がっていることを示しています。
“だから私は大丈夫”。そんな風に自分に言い聞かせているようでもありますね。
自分の愛はすべてあなたのためにあるのだと、とても深い愛情を感じます。
きっと主人公は「あなた」を信頼し、その存在を感じることができるから頑張れているのでしょう。
4行目を和訳すると「ゆるむことはない」という意味。
これはつまり、「あなたへの愛はゆるぎないもの」という解釈ができます。
離れても2人の関係は決して変わらないもので、お互いがお互いのことを想い合っている証拠ですね。
最後の1行からは、そんな2人の愛は多少の試練では壊れるわけがない、ということが伝わってきます。
