幻想童話の冒頭ですが「Swan」と「優雅に」から始まります。
ご紹介したように、Swanとは女性のニートのこと。
ここでは、いまは何かしらの内なるところに籠っている女性を指しています。
そしてその女性を「優雅に」と形容しているのです。
このフレーズの連なりから読み解いてみることにしましょう。
内なる環境にいてどんな境遇にある女性でも優雅と、アピールしているのではないでしょうか。
どんな境遇でも、女性は美しいということでしょう。
いつだって、優雅に美しく白鳥のように羽ばたく可能性があるのだと表現しているのです。
真実は深く読み解くことで明らかになるもの。
歌詞から表現される仮想現実を読み解く
秘密を作るのは「1人じゃできない」こと?
来てみて あなたも童話の中
oh 2人だけの秘密を作るの
出典: 幻想童話 (Secret Story of the Swan)/作詞:Mospick 作曲:Mospick
秘めたことは1人でもできることです。
でも秘密となると、その秘しておきたい事実を1人以上で抱えることです。
つまり、自分以外の「あなた」が必要であるということ。
童話の中とは、その前に表現されたSwanからなぞらえた童話ではないでしょうか。
つまり私だけの物語ということです。
誰にも見せない私だけの物語である童話の中に「あなた」を誘っているのです。
そしてそれはあなたと私だけの秘密。
魅惑の仮想現実へのいざないを想起させるフレーズです。
私の心の扉を開いてほしい
光る眼差しに
私は惹かれて
あなたの手で始まるのよ Fairy tale
出典: 幻想童話 (Secret Story of the Swan)/作詞:Mospick 作曲:Mospick
私だけの童話に「あなた」を誘った歌詞の主人公。
その仮想現実の世界で2人だけでいるのかと思いきや、そうではありません。
そこからまた別の新たな世界に飛び出そうとしています。
妖精の尾をもち、貴方の手に惹かれ、今ではない場所へ向かおうと試みる。
ここでいう「あなた」には、秘密の共有を望んでいます。
それだけ信じられる存在であること、そして次の世界に一緒に行きたい。
そんな不思議な存在を夢みている彼女の願望が表現されているのでしょう。
私と「あなた」だけの世界に飛び込みたい?
今 I’m gonna crazy
誰に何と言われても
君と同じ夢見たい
出典: 幻想童話 (Secret Story of the Swan)/作詞:Mospick 作曲:Mospick
楽曲の主人公の女性は、今すぐ「あなた」と新たな世界に行きたいのでしょう。
誰に何と言われても「あなた」に夢中になりたいのです。
同じ夢を見られる関係を望んでいるのです。
同じ夢を見ることが出来る関係とは、他人ではない関係のことでしょう。
恋人なのか、それとももっと近づきたいのか。
そんな思いを感じさせるフレーズになっています。
「あなた」に夢中になりたい、例えそれが誰かに非難されるものでも。
情熱的な夢を抱く彼女の思いが感じられるフレーズです。
非現実的な歌詞に込められた思い
どんな魔法で目覚めるのか
Like Swan Swan Swan
魔法にかけられて
出典: 幻想童話 (Secret Story of the Swan)/作詞:Mospick 作曲:Mospick
今は白鳥と呼ばれる環境にある、つまり内にこもっている女性です。
そんな境遇にいる彼女が、魔法にかけられる。
どんな魔法なのでしょう。
ここで表現される魔法とは、恋の魔法を指しているのではないでしょうか。
女性が魔法にかけられて、今ある環境から飛び出したいのです。
「あなた」と秘密を共有し、2人だけの世界に行きたい。
ここでポイントとなるのは、魔法は「かけられて」です。
ふいに現れた「あなた」に恋の魔法をかけられたSwanの私。
あなたに夢中になるのは「かけられてしまった」から。
シャイな彼女は自発的にかかったのではなく「かけられた」のです。
自分から飛び出したいけど、自分が積極的にというのはまだ恥ずかしいのでしょう。
受け身になりたい彼女の深層心理が垣間見えます。