向井太一さんが茶色いジャケットをはおって鏡前に戻ると、鏡の中はまた別の人になっています。
4人目の鏡の中の人は似たような茶色いジャケットを着て、赤いネクタイを締めた白髪の紳士。
シニアモデルの近岡哲也さんです。
鏡の中でネクタイを締め直すと、向井太一さんも首に青いネッカチーフを巻きつけます。
みんな個性的
鏡の中の登場人物は全部で4人。年齢や性別もバラバラで、みんな個性的な存在でした。
MVでも歌詞でも、強いメッセージになっているのが「ありのままの自分を愛そう」ということ。
たとえ孤独を感じても、結局は誰もがつながっていて、世界はひとつ……。
カルロス・サンタナのアルバムタイトルにあるような「ワンネス」という意味かもしれません。
しかも自分自身が変わらなくちゃ……ではなく、世界のほうがいつか変わる! と歌われています。
MVの冒頭では、キューバの革命家チェ・ゲバラの姿を撮った写真家の写真集が映っていました。
何気に意味があったかもしれません。
鏡の中に次々現れる人物は何の象徴?
鏡の中に次々と現れた人物たちは「あなた自身かもしれない誰か」の象徴でしょう。
何気ない動きでも、実はシンクロした映像になっていました。
他人は他人、自分は自分と割り切って、身近で悩んでいる人を無視することもできます。
でも、悩みの相談にのったとき、かえって癒されるのは自分のほうかもしれません。
あるいは悩みを抱えている人に対しても、どうせ孤独だし……といじけないよう励ましています。
ひとりで生まれてひとりで死んでいくと考えると孤独ですが、それは世の中の全員が同じこと!
あなただけが(私だけが)孤独なわけではありません。むしろ孤独同士で全部つながっています。
ありのままの自分を愛して強く生きれば、世界のほうが変わる!というわけですね。
驚きの結末に注目!
向井太一さん「Pure」のMVは、最後にさらなるトリックが立て続けに仕掛けられています。
鏡の中の世界へ
まず、カメラが鏡の中の世界へ入ってしまうんですね。
いや、正確にいうと、これまで鏡があったと思い込んでいた空間を超えて、隣の部屋へ移動。
隣の部屋にいた白髪の紳士は、カバンを手にして玄関から外出します。
その姿を見送っていたのが向井太一さん。いつのまにか隣の部屋に来ていたのですね。
壁には、地下鉄アートで有名なアメリカの画家キース・へリングの絵が飾られています。
隣の部屋も同じ部屋
ソファーに座った向井太一さんが眺めるのは足や回転式のチャンネルがついた古めかしいテレビ。
そう、もといた部屋とまったく同じインテリアになっています。
あなたと私はこんなにもシンクロしている……という表現なのでしょう。
鏡は鏡に戻っている
そして向井太一さんが鏡を覗き込むと、映るのは向井太一さん自身。
つまり鏡は鏡に戻っているわけです。
鏡の中の人と重なる
最後まで歌いきった向井太一さんが手にするのは、白髪の紳士のものと似たようなカバン。
そして白髪の紳士と同じように玄関へと向かいます。ところがドアの目前で異変が!
まず壁についている電気のスイッチに手を伸ばし、部屋を振り返ります。
その途端に向井太一さんの姿が一瞬ずつ、鏡の中に登場した4人の姿に変身するんですね。
さすがにここは映像をつなげたと考えられますが、それでもビックリさせられます。
電気が消えると向井太一さんに戻って外出!ドアが閉まって終わりです。
マヤ文明の言葉「インラケチ」みたいに、あなたは私を映す鏡という意味だったかもしれません。
あっこゴリラとのコラボ曲も聴いてみよう♪
メッセージ性の強い歌詞と心にしみる歌声、そして不思議なMVが魅力的な向井太一さんの「Pure」。
その存在自体が気になる!という人にはラッパー「あっこゴリラ」とのコラボ曲もおすすめです。
「ゲリラ × 向井太一」はあっこゴリラの2nd EP「GREEN QUEEN」収録曲。
こちらの記事でその歌詞とMVについて掘り下げてみましょう♪