空を埋め尽くすほどの…
翼を休める場所も無くて
みんなはある街の 窓から鯨を見た
大空が暗くなるほど 鯨で空はうずまった
いつか人の流れに 押し流されて
空に飛び立つ 可愛そうな鯨(鯨)
出典: 空飛ぶ鯨/作詞:みなみらんぼう 作曲:みなみらんぼう
青い空に癒しを求めた人間の目に飛び込んできたのは「空飛ぶ鯨」でした。
自ら望んで自らが作り出したパワーとツールで空を飛んでいます。
飛んでいるのは一頭だけではありません。
なんと空の青い部分を見ることができない位の数の鯨が空を飛び続けています。
数え切れない鯨たちで太陽の光も地上に届くことができません。
飛ぶことに疲れた鯨は休息のために地上に降りようとします。
間近で見る鯨は、その大きさに人間は圧倒されるだけ。
「空飛ぶ鯨」に地上から愛情を持って手を振っていた人間もいたはずなのに…。
鯨を見て優しい気持ちになっていたのは、鯨が空を飛んでいたからだったのでしょうか。
鯨を脅威としか思えない人間たちは、鯨が地上に戻ることを決して許しませんでした。
耳をふさぎたくなる結末が
残されたのは…
その日の昼過ぎに あわれな鯨の群れは
次々に撃ち落されて 魂だけが飛んでいった
出典: 空飛ぶ鯨/作詞:みなみらんぼう 作曲:みなみらんぼう
見るのも聞くのも拒否をしたくなる歌詞の終わり。
現実にはこのようなことはあり得ないと思ってはいても、心に重いものを残して歌が終わります。
誰かを傷つける訳ではなく、自分たちの生きる場所を求めて空を飛んだ鯨。
鯨がただ生きるために起こした行動は、卑劣ともいえる方法で止められてしまいました。
止めたのは人間。人間の都合で人間は鯨を殺すこともできるのです。
大切なことを人間に伝える前に鯨は命を終えました。
「空飛ぶ鯨」の姿を人間はもう見ることができません。
鯨が気付いて欲しかったことを人間は分かるのでしょうか。
正しい答えを出すことができていないことを、鯨は今でも心配しています。
鯨が教えようとしてくれたこと。
近い将来や遠い未来が無くなる前に、地球に生きるすべての生き物が知っておく必要があるのです。
最後に
海と地球と笑顔のために
1970年代と現代では社会情勢は大きく変化しました。
でも現代の環境問題に「空飛ぶ鯨」の歌詞はそのまま当てはめることができます。
周りを見れば、人間が手にしたのは人間のためになるものばかり。
便利で手軽に使えるものが、自然破壊の原因にもなっています。
地球の約70%を占める海に鯨が暮らせないのなら、30%の陸地に暮らす生物にも危機は迫っているはず。
人間が先頭に立たなければ、海でも陸地でも安心して暮らせる環境は取り戻せないでしょう。
鯨が安心して暮らし、多くの生命が息づく海を決して見捨ててはいけません。
次におススメしたい記事も『海』が主役の楽曲。リリースされたのも「空飛ぶ鯨」と同じ1974年です。
聴くだけで思い出したい思い出を教えてくれる海が、静かなメロディーと共に広がりました。
あなたの心の海に誰がいますか?目をつぶればきっとあの日の笑顔に会えます…。
思い出したきっかけが『海』ならば、鯨の笑顔も見えるかも。
【瞳を閉じて(松任谷由実)】歌詞の意味を解説!今頃どうしているのかな?遠い友達に送る優しいメロディー - 音楽メディアOTOKAKE(オトカケ)
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