冒頭は外が悪天候で暗いのは分かりましたが、時間帯の情報は出ていませんでした。

これから解説する歌詞後半はそれが分かるようになります。

独特な表現も増え、より情景が具体的に思い浮かぶようになっているのです。

ロマンチックな歌詞が、曲をより盛り上げてくれるでしょう。

夜にやってくる恋人

夜をスニーカーにする夜行性のあなたは
暗闇に光る青と緑で染まる
宝石のように揺れる瞳 焦げるようなこの気持ちを
言葉にしたらどこかに消え去りそうで

出典: Blue in Green/作詞:kiki vivi lily・SUKISHA 作曲:kiki vivi lily・SUKISHA

ここで初めて好きな人がどんな人なのかが少し分かります。

好きな人は夜になってからやってくるようです。

「夜をスニーカーに…」とは面白い表現ですね。

今の時代、人間は靴を履かないと外に出られません。

好きな人は、これと同じく夜にならないと外に出られないのでしょうか。

「どんな人なの…」と感じるかもしれませんが、夜の仕事に就いていて日中は寝ている可能性があります。

もしくは元々夜型の人間でしょうか。

2行目以降はその恋人が、自分と一緒に過ごしている様子を抽象的に表していると思われます。

タイトルの「青」「緑」も登場しますが、ここでは何を指しているのか分かりません。

「染まる」ということは外灯やテレビなどの光の色で、恋人が照らされている姿でしょうか。

3行目は歌詞の目線にもなっている主人公の描写と思われます。

暗がりの中、恋人を見つめる主人公の目は潤んでいるのか光っているのです。

そして愛する人を前に興奮しているというより、想いが強くなっているのでしょう。

恋心は胸が痛くなるだとか、体が焼けるように熱くなるという表現をよくされます。

自分の中で感じている愛を、言葉で直接伝えたいと思う時もあるでしょう。

しかしながら、主人公は敢えて言葉にせず胸の奥にしまっていました

言語化すると自分の中にある愛情が冷めてしまったり、別のモノになってしまったりする気がしているようです。

胸の中にある感情をわざと言葉にしないことで、漠然とした幸福感を得られることは実際にあります。

青の中で眠る

Blue in green
青く光る夜 内に潜む呼吸
悪戯に笑い隠れるようにキスをした頬
Blue in green
外は嵐 舞うように吹く風
雨が晴れるまで抱き締めていてね
気だるい青に包まれて眠ろうよ

出典: Blue in Green/作詞:kiki vivi lily・SUKISHA 作曲:kiki vivi lily・SUKISHA

「青」は夜、もしくは夜空を表しているのでしょう。

光っているように見えるのは街の照明がついているからではないでしょうか。

なら月や星は見えない筈ですからね。

ひょっとすると、降りしきる雨が夜景の光を反射して輝いているように見せているのかもしれません。

少なくとも彼らの目には、夜の光景が青く光って見えているようです。

そもそも二人はでどこにも行けないので、雨が止むまで愛し合いながら待っているのでした。

今は夜の雰囲気に浸りながら、恋人たちは眠りにつこうとしています。

嵐の中、恋人と愛し合うのはどこ?

「Blue in Green」は、全体を通しての夜建物の中で愛し合う恋人の歌詞でした。

解説では家の中にいる前提で説明しましたが、必ずしも家ではないでしょう。

歌詞の中には具体的にどこなのかを指す言葉がないからです。

ホテルという可能性もありますし、どこかの施設にある個室という可能性もあります。

「雨宿り」というワードもありますから、屋根の下に身を寄せているだけかもしれません。

二人がどこにいるのかは、リスナーの想像にお任せということなのでしょう。

少なくとも外は雷も鳴っている悪天候なので、少なくとも屋内ではある筈です。

タイトル「Blue in Green」の意味は

「緑の中の青」とは

この曲の一番の謎と呼べるのはタイトルにもなっている「青」「緑」ではないでしょうか。

恋人との合言葉も「Blue in Green」でした。

そのまま訳すと「緑の中の青」になります。

これだけだと、緑の中に青が混じっている状態を連想するでしょう。

なんだか地球のような色の組み合わせですね。

「金曜日の夜」のような特殊な訳や意味があるのかといえば、そういったものも特にないようです。

歌詞の中にも二色は登場しましたが、何を指していたのかすら分かりません。

結局のところ、「Blue in Green」とは何のことなのでしょうか。

推測ですが、この曲に登場する「Blue in Green」は何かをたとえているのではないように思えます。

では何かというと、「Blue in Green」という同じタイトルの別の曲です。

マイルス・デイヴィスの名曲「Blue in Green」

kiki vivi lily × SUKISHA【Blue in Green】歌詞の意味を徹底解釈!の画像

実は、「Blue in Green」というタイトルの曲は洋楽にも存在しています。

中でも有名なのがマイルス・デイヴィスの「Blue in Green」で、名曲として世界的にも知られているのです。

人によっては、「Blue in Green」と聞いてこちらを思い出した人もいるのではないでしょうか。

歌詞の恋人は、二人ともマイルスさんのこの曲が好きなのかもしれません。

だから曲名を合言葉にしたのでしょう。

マイルスさんの「Blue in Green」は、恋人を他の人にとられてしまった女性の歌詞です。

これはまさに「気まぐれな愛」ではないでしょうか。

恋人たちは嵐の中、部屋でマイルスさんの名曲「Blue in Green」を歌って夜を過ごしていたのかもしれません。

大人の恋を綴ったラブソング