東京五輪音頭にのせて描かれた青春映画もありました。三波春夫さんご本人が出演されています。
舞台はもちろん東京オリンピック。
ほかにも当時のヒット曲をもとにして映画が作られていました。
それらの物語を収録したDVDが2014年に発売されています。
ふたたびあの映像が観られるなんてー、と心を躍らせた方もいらっしゃったのでしょう。
世界の祭りが日本で!
夢じゃない?
ハァー
あの日ローマで ながめた月が
ソレ トトントネ
きょうは都の 空照らす
ア チョイトネ
四年たったら また会いましょと
かたい約束 夢じゃない
ヨイショコーリャ 夢じゃない
オリンピックの 顔と顔
ソレトトントトトント 顔と顔
出典: 東京五輪音頭/作詞:宮田隆 作曲:古賀政男
戦争を経験した三波さん。
「日本はあのどん底からこんなに頑張って復興を遂げたんですよ」という気持ちを込めて歌っていたそうです。
そんな背景のある「東京五輪音頭」。さっそく歌詞をみてみましょう。
三波さんのこぶしの効いた美声で、楽曲は気持ち良く始まります。
オリンピックの起源は古代ギリシアです。
著者は古代ギリシアとローマ帝国の関係なども深読み。
しかし辻褄が合わないので歴史を紐解いてみると、前回大会の1960年がローマオリンピックでした。
そう、日本が投票で開催権を得られなかった前回大会です。
そのローマのことを指しているのでしょう。
オリンピックが開催されたローマでうらやましげに見上げたその月が今日は東京で見られるのです。
4年ごとに開かれるオリンピック。
一度は戦争で開催を返上し、前回大会は投票で敗れました。
けれども今回の開催は、夢ではないんでしょう。そう、夢ではありません。
小気味良い拍子が聴衆の気分を上げてくれます。
これは日本の晴れ姿
ハァー
待ちに待ってた 世界の祭り
ソレ トトントネ
西の国から 東から
ア チョイトネ
北の空から 南の海も
越えて日本へ どんときた
ヨイショコーリャ どんときた
オリンピックの 晴れ姿
ソレトトントトトント 晴れ姿
出典: 東京五輪音頭/作詞:宮田隆 作曲:古賀政男
そう、東京オリンピックは日本国民の長年の夢なのです。
世界中から参加者が、そして応援する人たちが集まってきます。
西も東も、そして北も南も。はるばる日本にやってきます。
ああ、これこそオリンピックの舞台なんだ。
選手たちの晴れ姿であり、日本の晴れ姿でもあるんだ!
絶妙なヨイショの声がリズム良く楽曲を盛り上げます。
心も体も踊る
若い力が集う
ハァー
色もうれしや かぞえりゃ五つ
ソレ トトントネ
仰ぐ旗みりゃ はずむ胸
ア チョイトネ
すがた形は ちがっていても
いずれおとらぬ 若い花
ヨイショコーリャ 若い花
オリンピックの 庭に咲く
ソレトトントトトント 庭に咲く
出典: 東京五輪音頭/作詞:宮田隆 作曲:古賀政男
五輪のマークを見てごらん、そう5つだね。何度数えても5つちゃんとあるよ。
掲揚された各国の国旗が青空高くなびいているさ。
ああ、心が躍る、胸が弾むよ。
世界各国から大勢の人が集まった。肌も目も髪の色も違う、鼻の高さも手足の長さも全然違う。
はたまた喋る言葉も違うさ。
でもここに集った若い力は、みんな誰にも劣らない。
努力を積み重ねてきた若い力さ。それがこのオリンピックの舞台で花開くんだ。
なんて素晴らしいんだろうか。
こんな感激の気持ちがあふれ出てくるようです。
端的でありながら感動的な言葉が紡がれています。
秋の空
ハァー
きみがはやせば わたしはおどる
ソレ トトントネ
菊の香りの 秋の空
ア チョイトネ
羽をそろえて 拍手の音に
とんでくるくる 赤とんぼ
ヨイショコーリャ 赤とんぼ
オリンピックの きょうのうた
ソレトトントトトント きょうのうた
出典: 東京五輪音頭/作詞:宮田隆 作曲:古賀政男
君のお囃子で私は踊ります。
良い拍子で踊りましょう。
ああ、菊が咲き秋空に素朴かつ良い香りが広がっています。
ああ、赤とんぼもこの拍子につられて飛んできますよ。
ああ、日本の秋ですね。
これがオリンピックが開かれている日本ですよ。
これがオリンピックの歌ですよ。
それ、拍子を一緒に刻みましょう。
哀愁を感じさせ、日本の心を呼び起こすようです。