聞いたことある
あの曲にのせて
ピアノのレッスンや音楽の授業でお馴染みのヴェートーベン。
お堅いイメージのクラシックが、ポップなオールディーズ曲に変身して大ヒットした曲です。
1980年、こういったクラシックをベースに日本語の歌詞を載せた曲がいくつも生まれました。
聞いたことあるのにちょっと違う。でも口ずさめてしまう。
それがこの曲の魅力の一つ。
女性からキッスをねだる小悪魔的な歌詞が曲に乗ってこちらも耳に残ります。
女性の社会進出が目覚ましくなり出した時代に相応しい、小粋な曲です。
目元は女性の
この曲は化粧品のキャンペーンソングとして、テレビに流されたもの。
目元の印象深い女性モデルとこの曲は相性ピッタリで誰もの心に残りました。
美しい目元を強調し、そこにキッスをどうぞ!
奥ゆかしさや、シンプルさが美徳とされた時代から、美しさも切り開く時代へ。
自分好みの美しさをメイクアップで演出し、仕事も恋も先導する。
そんな時代の幕開けに相応しいノリの良い曲です。
これがオールディーズ
オールディーズと聞いてどんなイメージを持たれるでしょうか。
ロックンロールやロカビリー、そしてポップスまで。
ポニーテールや、オールバック、独特の衣装を身にまとい、ノリノリで歌う姿を連想することも。
聞いて楽しんだり、踊って楽しんだりオールディーズファンは幅広いもの。
古くささの中になぜかおしゃれな雰囲気が残るオールディーズ。
キッスは目にして!も、オールディーズ風の曲に相応しく、時代を超えた粋さを感じさせます。
この恋は
罠 罠 罠に落ちそう
誘惑の恋 私をさそう
キッスは目にして 罪は薔薇色
あなたの鼓動を体で感じる
Kiss Kiss Kiss Kiss fall in love
ひとときだけに切なく燃えるの
君とぼく 愛の そうよ喜びを知ったわ
明日のことなど どうでもいいわ
出典: キッスは目にして!/作詞:阿木燿子 作曲:Beethoven
罠って
男性が仕掛けて女性がハマる。そんな駆け引きが繰り返される恋のシチュエーション。
現代は「草食系男子」の流行りもあって、仕掛けるのは男性ばかりとは限りません。
どちらにしろ、恋の始まりには「罠」がつきものでしょう。
「罠」というとなんだか獲物を捕らえるようであまり良いイメージはしません。
そこにハマることで、悪いことが起こってしまいそうな。
恋の場合はそればかりとは言えません。
どんな恋に転ぶのかは、罠にかかってからの二人次第。
まずは恋を始めなければ何も起こりません。
恋という名の「罪」。それは薔薇色...。
いけないかもしれない恋である程、魅力的でもあったりするのです。
誘うその手の熱い鼓動を肌に感じながら、恋の誘惑に逆らえない女性の困惑が溢れています。
キッスから始めて
今どきのことはさておき。
1980年代はまだ、女性は清楚に良妻賢母という理念が残っていたころ。
恋にも手順があったはずです。
出会って、相手を知って、そして恋に進む。
いきなり「キス」から始まる恋なんて、ちょっと野蛮と考えることもあったはず。
そんな時代の中、主人公は一歩進んでいるよう。
口説き文句を重ねて、あれこれ考えるより、キスしたら恋に落ちるじゃない。
そんな、蓮っ葉で思いっきりのよい女性のようです。
男性が女性に近づいて来るときは、良いことしか言わないじゃない?
それをいくら聞いても、それだけじゃ男性の本意なんてわからないわよ。
そんな胸の内が聞こえてきそうです。
本来の、旧来の恋なら二人の未来を見越して恋をするのがセオリー。
キスから始まる恋は、明日よりも「今」が大事。
今日を思いきり楽しむそんなあっぱれな女性が曲から飛び出してきそうです。
恋は落ちるもの
恋 恋 恋に落ちそう
微笑みの罠 唇に残し
キッスは目にして 恋は陽炎
あなたの吐息を まぶたで受けるの
Kiss Kiss kiss Kiss fall in love
出典: キッスは目にして!/作詞:阿木燿子 作曲:Beethoven