忘れられない街に
過去を追い求めて彷徨う街。
まずは24時間喧騒が途絶えない街から始まります。
待ち合わせに使った街で
別れた人に会った 別れた渋谷で会った
別れたときと同じ 雨の夜だった
出典: 別れても好きな人/作詞:佐々木勉 作曲:佐々木勉
まずは街の名前から見ていきましょう。1番最初に出てきたのは「渋谷」でした。
一口に渋谷といっても範囲はかなり広めです。スクランブル交差点だけが渋谷ではありません。
もしかしたら2人が会ったのは少し喧騒を避けた、宮益坂辺りと想像することもできます。
そしてそれよりも気になることがありますね。
今夜の出会いは偶然なのか、それともどちらかが誘ったのか。
歌詞はそれをハッキリとは示していないようですね。
ただ「人・場所・天気」この3つが偶然に重なることはまず考えられないでしょう。
ということはどちらかが誘って、相手もそれを拒否をしなかったことは確かです。
今夜が雨だったから付き合っていた相手を思い出したのでしょうか。
この後2人は次の街に向かいます。
あの日に戻って歩けば
傘もささずに原宿 思い出語って赤坂
恋人同士にかえって グラスかたむけた
出典: 別れても好きな人/作詞:佐々木勉 作曲:佐々木勉
歌詞の通りに渋谷から原宿まで雨の中を歩いたらびしょ濡れになります。
とりあえず小雨だったと想定してたどり着いたのは「原宿」でした。
ただこの後に出てくる街が「赤坂」であることから、表参道辺りと予測することもできるでしょう。
渋谷の宮益坂から青山通りをたどれば表参道の交差点に出ます。
そこで地下鉄に乗れば赤坂に行くことが可能です。
2人はそこでやっと落ち着いたようですね。
「恋人」時代に戻ってしまったという少し危うい表現。
今夜この2人がどうするのかを匂わせる歌詞ですね。
あの日のように2人の会話は弾んでいるようです。
心残りがあるのは…
何もかもがあの日と
やっぱり忘れられない
変わらぬやさしい言葉で
私をつつんでしまう だめよ弱いから
出典: 別れても好きな人/作詞:佐々木勉 作曲:佐々木勉
会うのは久しぶりだったけれど、あの日と何も変わっていないのです。
お店もいつも通っていたお店なのでしょうか。
耳に入ってくるBGMも、会話の声の響きもあの日のままなのでしょう。
そして歌詞に「私」という単語がでてきました。
ここから予測すると今夜誘ったのは女子からと判断できますね。
それを断ることはしない、相変わらず優しい人。それが相手なのです。
私を「包み込む」包容力がある人なのでしょう。
ここから想像すると年齢は女子より上、会話も人付き合いも上手な人です。
もしかしたらすでに家庭を持っている年齢とも予測ができますね。
だから1度は別れたのにまた会ってしまった理由はごくシンプルなもの。
私が「弱い」からなのです。寄りかかれる人が欲しいのでしょう。
隣でうなずきながら話を聞いてくれる人に会いたくなったのです。
だから今でも
別れても
好きな人
別れても
好きな人
出典: 別れても好きな人/作詞:佐々木勉 作曲:佐々木勉
タイトルでもあり、今でも時々使われる失恋女子のメンタルを表す言葉。
これが繰り返されるのです。
断ち切ることができない思いを抱えたまま過ごす毎日。
もちろん憂鬱ではあるけれど、恋をしていた自分が愛おしくもあるのです。
もしかしたら戻ってきてくれるという、淡い期待だって持っているのかもしれません。
それほど素敵な相手なのでしょう。
優しいあの人が私を忘れるわけはないから、いまでもあなたが好きなのです。