生きることはマラソンみたい
人は生まれてから一生を終えるまで、ひたすら自分の人生を走ります。
庇護され、教育を受けた期間の後はとにかく自分の足でひたすら前に。
時には、足を取られることもあり、ひっくり返ってしまうことも。
それでも、走り続けるのが人生です。
マラソンランナーは
マラソンランナーをテレビ中継で見ることがあるでしょうか。
スタートを切り必死に走り、時に失速しながらそれでもゴールを目指します。
リタイアすることは本当に苦しそうで。
どんな様子になろうともなんとかゴールにたどり着こうととにかく必死で走ります。
マラソンを見ている側はそんな姿に感動し、勇気をもらう。
ランナーたちの姿にいつか自分の生きる道を重ねているのかもしれません。
山あり谷あり
中田裕二はマラソンランナーの姿に影響を受けこの作品を描いたようです。
マラソンというのはあくまでも自分の中の闘い。
調子が良かったり、辛かったり、時に後悔したり、そんな自問自答をくり返しながらひたすら走ります。
自分との闘いでありながら、見ている人や共に走っている人を巻き込んでいく。
その様は、毎日の暮らしを淡々と走りながらゴールを目指す「生きる」ということ。
それに似ているという点に興味を引かれたのではないでしょうか。
中田裕二の描く「ランナー」という生き様を歌詞を通して覗いていきましょう。
節目では
さあ そろそろ中継地点
スタミナの残量を調整して
じわりと加速 みだりは蛇足
ビコーズ パーティーピープル掻き分ける孤独
道にキリギリスの死骸
統一感のない東京の未来
腹痛い 変なもん食ったみたい
死にたい 生きたい そんな実態
出典: ランナー/作詞:中田裕二 作曲:中田裕二
マラソンの中継ポイント、人生でいえば所謂「節目」といわれるときでしょうか。
ポイントを通過する際にはどんな心境でそこを過ぎて行くのかをみていきましょう。
準備を整えて
目標をもって頑張っていると、何度か節目に出くわします。
それは、精神的なものや体力的なものなど様々です。
中継地点、今回の節目に差し掛かった主人公は自分の状況を見極める余裕があるよう。
ここで頑張りすぎても後がツライ。
自分の思い込みや勝手を優先すると失敗しそう。
そんなことを計算しながら、ゴールまでの体力調整にしっかり努めているようです。
世の中には、浮かれている人もたくさんいて。
そういう人たちも、彼らなりに楽しい人生を過ごしているよう。
しかし、目標を目指している主人公は誘惑を横目でスルーし走ります。
取り巻く環境と自分と
ひたすら自分の道を走っていると周りが見えていません。
ふと我に返り、道のわきに目を向けると、退廃した何かを目にすることがあります。
諦めると自分が道に転げたものになってしまう、そんなことを考えたりして。
東京という町は目標の塊でもあり、目標に敗れた集団でもあります。
頑張ってそして走り続けている人と、リタイアした人が混在する街。
極端な世界に囲まれ、自分は今どちらにいるのだろう、誰しも不安になることがあるでしょう。
このまま頑張って目標に到達できるのかなという不安。
何だかうまくいかないかもという漠然とした予感。
それらを抱えながら、自分の本当に欲しいものが時にみえなくなったりもします。
もう投げ出したい?それとももう少しがんばってみる?
自問自答を繰り返しながら、まだまだゴールの見えない向こうにむけて走ります。
流されて
抜き去られても 追い付かれても
すべては流動 流れ続け
収まるところ
出典: ランナー/作詞:中田裕二 作曲:中田裕二