石川ひとみ最大のヒット曲「まちぶせ」
「まちぶせ」が彼女を歌の世界に引き留めた!
1981年4月21日、石川ひとみ11枚目のシングルとしてリリースされたのがこの「まちぶせ」です。
発売後2ヶ月ほど経ってからランキングが上がりはじめ、8月に初のオリコントップ10入りを果たしました。
その後も3ヶ月以上に渡るランクインを続け、同年の紅白初出場に繋がる記念碑的な楽曲になったのです。
1978年5月にデビューしたもののヒット曲に恵まれず、これが売れなかったらもう引退しようと考えていた彼女。
この曲のキャンペーンで全国各地を巡った時に歌の楽しさを思い出し、引退するのを辞めたと後に語っています。
カバーすることを提案したのは彼女自身ではなく、ディレクターでした。
その際石川ひとみは「この曲が大好きなので、シングルにならないかしら」と希望し、シングル化が実現しました。
デビュー前に通っていた東京音楽学院で、課題曲として毎日歌っていた「まちぶせ」。
その曲が3年後、運命を大きく変えるなんて!
この世には「人生を変える音楽」があるのを実感させてくれるエピソードですね。
オリジナルとカバー、それぞれの「まちぶせ」
オリジナルは三木聖子
三木聖子のデビューシングル「まちぶせ」がリリースされたのは、1976年6月25日でした。
石川ひとみがカバーする5年前ということになりますね。
こちらは大ヒットまではいかなかったものの、この年の日本歌謡大賞新人賞を受賞しています。
理由は分かりませんが芸能活動は2年、歌手活動に至っては11ヶ月で引退してしまいました。
しかし2018年現在でも、「まちぶせ」なら三木聖子バージョンが好きというファンがたくさんいます。
作詞作曲はユーミン! セルフカバーも!
「まちぶせ」を作詞作曲したのは、ユーミンこと荒井由実。
松任谷正隆と結婚する前のことでしたので、荒井姓となっています。
この曲はユーミンが三木聖子のために書き下ろしたものでした。
曲制作にあたりユーミンが三木聖子に会い、色々と話を聞いたそうです。
その中で三木聖子が語った中学時代の経験が、この歌詞になったとのこと。
ちなみに石川ひとみも学生時代に同様の経験があり、この曲に対して親近感を持っていたそうですよ。
当時の女の子たちにとっては、わりとありがちなことだったのでしょうか?
……彼女たちよりちょっとだけ下の世代である筆者にも、心当たりがあります(笑)
現代の女子の皆さんはどうでしょう?
後ほどの歌詞解説で、思い当たる節があるかどうか確認してみてくださいね!
なお、ユーミンは1996年7月15日に荒井由実名義でこの曲をセルフカバーし、シングルリリースしました。
三木聖子、石川ひとみ、そしてユーミンのバージョンは、すべて松任谷正隆がアレンジを手がけています。
その他のカバー
「まちぶせ」をカバーしたアーティストは、他にもたくさんいます。ざっと数えただけで10数人いました。
声優としても活躍している國府田マリ子、豊崎愛生。
女性ボーカリストの曲のカバーをたくさん発表している徳永英明。
歌詞を徹底解説! あなたはどう感じる?
さていよいよ「問題の歌詞」の解説に入ります。
「積極的かつ、けなげな女の子の歌」というのが、この曲に対する多くの人の感想だったようです。
当時、ストーカーという言葉は一般にまったく浸透していませんでした。
また、この曲からストーカーじみた怖さを感じることもなかったように思うのです。
それだけまだのんびりした時代だったのかもしれませんね。
現在はストーキングが社会問題化し、こういった歌詞から「ヤバさ」を容易に想像してしまいます。
さて、皆さんはどう感じるでしょうか?
彼と「あの娘」のデートに遭遇
夕暮れの街角 のぞいた喫茶店
微笑み見つめ合う 見覚えある二人
あの娘が急になぜか きれいになったのは
あなたとこんなふうに 会ってるからなのね
出典: まちぶせ/作詞:荒井由実 作曲:荒井由実
ふと喫茶店をのぞくと、どう見てもラブラブ状態の二人がいました。
「見覚えある二人」という表現から、偶然見つけてしまったのかなと思います。
お店混んでるかな~と思いつつドアを開けてみたら、そこに二人がいたのでしょうか?
ちょっとお茶しようかと思ってガラス越しにふと見たらいたのでしょうか?
いずれにしてもちょっとショッキングな光景ですね。
「あの娘」は彼女と知り合いのようですが、それほど親しくはない気がします。
仲が良かったり、同じグループにいたりすれば、彼氏ができた報告がありそうなものですから。
片思いの相手に彼女がいる、それも一応知り合いの子だとしたら、大抵の場合は心折れそうです。