君は傷つけることより、傷つく方を選んだ
自分を犠牲にしてでも、誰かのことを思うことができる優しさ。
それは強さと言うべきかもしれません。
元来の性格…でもあるでしょうが、おそらく過去の自身の経験が関係しているのではないでしょうか。
痛みを知っているからこそ、人は他人に優しくできます。
誰かのためにと思って向けた笑顔が、いつの間にか自分の首を絞めていたのかもしれません。
いつしか君はその間で苦しんでいたのではないでしょうか。
誰かのおかげで人は輝ける
太陽の陽と地球の影を纏って 月はその姿を夜に映す
誰も一人きりでは生きてゆけない
出典: 太陽と花/作詞:高橋優 作曲:高橋優
「いただきます」という言葉さえ、形骸化してしまっているような今日。
生きているだけでも精一杯の私たちは、つい誰かのおかげで生かされているということも忘れそうになります。
太陽に命が育まれるように、君が自分を犠牲にしてまで誰かを思うように。
生きることの尊さと儚さを感じさせる歌詞は、私たちへの問題提起にも聞こえます。
もう一度君と向き合いたい
儚い灯 揺れる灯
愛されず育つ命など無い筈なのに
涙も見せずに 決して見せずに
星空に願い込める もう一度巡り会わせてくれと
出典: 太陽と花/作詞:高橋優 作曲:高橋優
君は今どこにいるのでしょうか。
物理的になのか、精神的になのか、会いにいくのは容易ではない遠くの場所に行ってしまったようです。
人知れず誰かを思い、人知れず戦ってきた君。
他の誰かを愛することはできても、自分自身への愛を感じることはできなくなってしまっていたのでしょうか。
君を思う主人公からは、「君と向き合って話をしたい」「もう一度やり直したい」といった再起の念を感じます。
心から笑い合いたい
太陽は自らを焼いて光る 日を浴びた草木は花咲かせる
君の微笑みに救われた僕が居る
出典: 太陽と花/作詞:高橋優 作曲:高橋優
君は自分が生きることの意味を、見出せなくなってしまったのではないでしょうか。
主人公も君のおかげで今があるということに、そのときは気づくことができませんでした。
もう少し早く気づくことができていれば、離れ離れになってしまうこともなかったのかもしれません。
確かなことは、僕が君に救われたというその事実だけです。
後悔を糧にして
尊い輝き 愛しい輝き
庇われることもなくただ花は咲き誇る
命の瞬き 誰もが一人
それぞれの空見上げて 今も繋がっていると信じながら
出典: 太陽と花/作詞:高橋優 作曲:高橋優
君のおかげで僕は生きることができています。
だけど救ってくれた君は、今はもういません。
その無情さが花という表現に込められています。
最後の二行は一番のサビと同じ歌詞です。
一番では君からの愛に気づいたものの、今はもう会うこともできないという後悔が込められていました。
最後のサビはその後悔を肝に銘じ、一歩踏み出そうとする気概が感じられます。
いつかまた君に会えたとき、正面から向き合える人でいられるように。
空に浮かぶ太陽に君を重ね合わせ、主人公はこれからの人生を生きていくのでしょう。
PVを解説!
※全編を通して演出に火が使用されています。火が苦手な方はお気をつけください!
YouTubeの高橋優公式チャンネルには、リリックビデオとPVの二つがアップロードされています。
ここでご紹介するのはPV。
現在はショートverのみが公開されています。
揺れる炎の奥に、イントロとともに浮かび上がっていく高橋の顔。
どこか哀しげな表情の高橋は、いつものアコースティックギターではなくエレキギターを携えています。
目を引くのは、その演出です。
辺り一面の火に囲まれ、燃え盛る炎の中で高橋は叫びます。
激しく散っていく火花は、人生にも似た儚さを感じさせます。