神様の心が軋む

地蔵すら石垣となった

逆さの地蔵

出典: 懺悔参り/作詞:羽生まゐご 作曲:羽生まゐご

音数が少なくなり、非常に印象的なフレーズですね。

様々なところで目にする機会のある、お地蔵様。

人々を苦しみから救うと信じられています。

それが「逆さ」になっているというのは、とても縁起が悪い気がしますね。

奈良県の郡山城には「逆さ地蔵」と呼ばれる名所もあるようです。

石垣を作る際に石が不足し、本来違う用途であった石を用いることを「転用石」といいます。

郡山城の石垣においてはなんと「転用石」として「地蔵」が使われたそう。

他にも様々な神社や寺にある石が収集されたという歴史があります。

人々からすると過去の歴史となった出来事。

ところが、神様が見たらどんな気分になるのでしょうか。

人間が自分の都合で「神様を信じたり信じなかったり」することが描かれている気がします。

神様の懺悔

神様も 神様も
夜は寂しいから
赦してよ赦してよ
いつも僕のせいさ

出典: 懺悔参り/作詞:羽生まゐご 作曲:羽生まゐご

夜になるとなぜか寂しくなってしまう経験はありませんか?

神様だって人間と同じように「寂しさ」を感じることがあるようです。

不幸なことがあれば「罰が当たった」。

願いが叶わなければ「神に見捨てられた」。

いつだって人間は神様に責任転嫁をするから、時には神様だって辛くなってしまう。

もうこの苦しい呪縛から解放してほしい。

そんな神様の切実な想いが綴られています。

「赦す」とは「罪を免除する」という意味合い。

ここから、神様自身が罪悪感を抱き、懺悔していることが推測できます。

通常人間は神様に向かって懺悔するもの。

神様はいったい誰に向かって懺悔して、誰が赦すのでしょう?

無力さと孤独

孤独な存在

今日も今日とて変わらないようだ
願わくば海の底
さよなら また会いましょう
ずっとずっとずっと此処にいるよ

出典: 懺悔参り/作詞:羽生まゐご 作曲:羽生まゐご

1番と同様に人間の世界を眺める神様。

ところが先ほどとは少し様子が違います。

MVでは神様がうなだれながら眺めているように見えるのです。

今日も変わらず人間の世界は争いが絶えない。

そして今日も神様に願いを届けるために参拝する人々。

ここで印象的なのは、神様が誰かとの「出会い」を意識している点です。

先ほどまでは「孤独」な印象だったのですが、ここでは更に神様は誰かに関心を持っているよう。

健気なだけでは報われない

どうかどうか貴方の為に
迷わないで探さないで
笑う門で泣いてた
届いてと願う声に
答えないで

出典: 懺悔参り/作詞:羽生まゐご 作曲:羽生まゐご

「神様を信じる」ことによって「永遠に救われない状態」になることを懸念しているのでしょうか。

信じてもそれが叶わない。

それを知らずに「貴方」は健気に祈り続けている。

また、その人物は「笑う門には福来る」という言葉に基づいて、笑顔を絶やさないようにしています。

ところが「笑っている」のに「幸せ」は来なくて、むしろ「悲しい出来事に涙している」よう。

健気に信じるも報われない姿を見て、神様はさらに胸を痛めているのでしょう。

未来は誰にも見えない

神様も 神様も
明日は見えないから
転んだって 転んだって
此処に来ちゃいけない

出典: 懺悔参り/作詞:羽生まゐご 作曲:羽生まゐご