絶対的な存在として称えられる神様であっても、未来を予知することなんてできない。
だから、そんな自分なんかを頼って未来を委ねないでほしい。
そうして未来を見失う人を、何人も見てきたのでしょう。
どんなに辛い現実に突き当たっても。
どんなに不条理な出来事に遭遇したとしても。
神様のもとへと「神頼み」をするのではなく、自らの意思で未来を切り開いてほしい。
これが神様から人間に向けた祈りなのです。
本当は貴方と笑い合いたかった
そっと手を離す
まだ間に合うから手を離した
寂しくはないから
それもいいのかな
さよなら
帳は朽ち果て夜の中へ
誰が為生きよう
いつか見ていた
浮世の夢
出典: 懺悔参り/作詞:羽生まゐご 作曲:羽生まゐご
ここでの「手を離す」という表現は「見捨てる」のような意味合いだと思われます。
必死に神様にすがりつく人。
どうにかして助けたいけど、自分にはどうすることもできない。
いっそ突き放してあげた方がきっとその人のためになる。
そんな考えのもと、人間を突き放しているのではないでしょうか。
その後に訪れるのは深い孤独感。
一人夜に寂しい思いをしている神様は「誰のために自分は生きているのか」自問自答します。
孤独な世界に生きていることが読み取れますね。
最後にはこの世へ感じる「儚さ」を吐き出しました。
神様の本心
神様も 神様も
貴方と語りたい
ちっぽけなちっぽけな
懺悔を聞いて
離さないで 離さないで
もしもなんて夢を
僕が全部 僕が全部
叶えてあげれたら
ふたりで
馬鹿みたいに笑ってた
かな
出典: 懺悔参り/作詞:羽生まゐご 作曲:羽生まゐご
ここでは神様の心情がよりストレートに描かれています。
神様だって孤独を感じる。
誰かと話して、悩みを聞いてほしいなんて考えたりする。
そして、「願いを叶えられない」からといって去らないでほしい。
もし神様自身に「誰かの願いを叶える力」があるとしたら…。
そうしたら、神様を信じてくれる「貴方」の前に現れて、面と向かって話せるようになるのかもしれない。
「自分の無力さ」に罪悪感を感じながらも「一緒に笑い合いたい」という淡い期待も抱く。
そんな神様がこの楽曲では歌われていました。
最後に
「懺悔参り」はいかがでしたか?
こだわった表現が多く、初めて聞いた時にはとても理解が難しく感じました。
でも、紐解いていくと「神様」の視点に立った独自の世界感を見ることができましたね。
この楽曲には「自分の意思と力で困難を乗り切ることの重要性」という前提が読み取れます。
私たちにとって「神様」とはどんな存在なのか…。
色々と考えさせられました。
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