「Maria」ってどんな曲?

静かに始まり中盤から希望を感じるメロディー

Acid Black Cherry【Maria】歌詞の意味を追う!絶望の中で何に希望を見出す…?!の画像

「Maria」は冒頭、優しく祈る様にメロディーが始まります。

それは、希望に向かって飛び立った曲中の主人公の心情を表しているのでしょう。

Aメロが終わると突如、アップテンポなメロディーに切り替わるのですが…。

ここからはおそらく、主人公が感じている葛藤を表現しているのではないでしょうか。

そして曲が終盤に近づくにつれ、徐々に冒頭のメロディーのような静かなテンポに戻っていきます。

この後、歌詞解説でも触れますが、主人公の「最期」を表現しているのでしょう。

静かで美しくも、希望を持ち続けたくなるメロディー編成。

それとは裏腹に、無情で切ない歌詞に主人公の幸せを祈らずにはいられないナンバーとなっています。

アルバム「Q.E.D.」はコンセプトアルバム

「人は人を裁けるのか?」というコンセプトの下に製作されたアルバムで、「ブラック・マリア事件(実際の未解決事件であるブラック・ダリア事件をモチーフとした)」という架空のストーリーが展開される。先述のブックレットにはこのストーリーの解説及び追加ストーリーが収録されている。

出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/Q.E.D._(Acid_Black_Cherryのアルバム)

アルバムタイトルにもなっている「Q.E.D.」とはどんな意味があるのでしょうか。

「Q.E.D.」とは、事件や様々な事柄に対して議論が終了した時などに文末において使用されます。

今回紹介する「Maria」もそのストーリーの登場人物の感情を表現した曲になっているのです。

アルバムQ.E.D.では「ブラック・マリア事件」という架空ストーリーが展開されています。

そこで、無実の罪をきせられた「リチャード」という一人の男性が登場。

この男性は獄中で自殺を図ってしまうのです。

なんとも無情な結末なのですね。

詳しくはAcid Black Cherryの公式ホームページにて紹介されています。

是非読んでみてください!

アシッドブラックチェリー オフィシャルウェブサイト

愛する「君」は誰?

嘘と罪

風に流されるまま こんな遠くにまで来た
嘘と罪に愛されて うまく笑えないんだ

出典: Maria/作詞:林保徳 作曲:林保徳

全ての事に「抵抗」することも、自分の意思を示すこともしなくなってしまったのでしょう。

流れるがままに動いていたら知らない場所にたどりついて、周りが何なのかもわからなくなったのかもしれません。

遠くというのは「天国」の事なのか、それとも生きている世界での知らない場所の事なのか。

答えはこの時点ではわかりません。

しかし、どこか「諦め」の表情が見えてくるような気もします。

リチャードは罪を犯してはいないと主張しています。

しかし、周りはリチャードが犯人だと嘘を言い張るのです。

そして、その嘘のせいで「罪」をかぶせられてしまった。

まさに、リチャードは「嘘と罪に愛されて」しまったのです。

笑うことすらも疲れってしまったのでしょう。

「うまく笑えない」という言葉に、生きていくことへの「諦め」をさらに深く感じられました。

綺麗なまま生きていく

マリア…僕は間違ってたのかい?
でもね…人はいつも嘘をつく
マリア…マリア 君の言う通り
誰もが綺麗なまま生きていけないんだね

出典: Maria/作詞:林保徳 作曲:林保徳

リチャードは当初、罪をきせられ絶望の淵に立たされているにも関わらず「生きる」ことを諦めませんでした。

生きて証明したい。

ただそう思って何年も獄中で戦ってきたのです。

人間というものは誰からも信じてもらえなくなれば、生きていくことも諦めてしまうでしょう。

それでも生きて戦いつ続けたリチャード。

しかし、最終的には自ら命を絶ってしまいます。

きっとその時にリチャードが思った事をこの部分の歌詞で表しているのだと感じました。

自分は間違っていないと信じていられたから、生きていくことを諦めなかったのです。

しかし、ずっと続く人間の嘘にいよいよ疲れてしまったのでしょう。

リチャードは新聞配達員の21歳。

まだまだ若く将来のある青年でした。

夢や希望もあったに違いありません。

そんな彼を苦しめた、人々の嘘。

綺麗なままで生きていけると思っていたのに、自分の意思とは裏腹に汚されてしまったのです。

リチャードの悲痛な叫びを感じずにはいられませんでした。

唯一信じてくれた人?

壊れかけた白い世界で……君だけが愛をくれたね
誰もいないこの世の終わりで…君と肩を寄せ合い 優しく口づけて

出典: Maria/作詞:林保徳 作曲:林保徳