簡単に軽減する争い
罵声に方向転換するような 気まぐれ
海底で不意に消えるような浮遊感
それを思わず 立ちくらみの瞬間に触れる
出典: you may crawl/作詞:内村友美 作曲:School Food Punishment
ここで表現されているのは、誰かと対立したときに罵声を浴びせられるのを恐れて簡単に意志を曲げてしまったということ。
主人公はそんな自分に対して気持ち悪さを覚えたのでしょう。
「海底で不意に消える浮遊感」という表現には、「自分には何もない」という虚しさが表れているように感じます。
主人公が繰り返し思い出していた、変わるために必要な出来事とはこのことだったのですね。
主人公は意志なんて何も持っていない自分を変えたいと、潜在的に思っていたのです。
自分は何者にもなれないと絶望する…けど諦めていない?
明日は折れた
その中に残ってる 夜
右目に映す 雨
左目で意味を問う
出典: you may crawl/作詞:内村友美 作曲:School Food Punishment
ここで描かれるのは、自分の明日に希望なんてないと感じている主人公。
不甲斐ない自分ではきっと明日も明後日も何者にもなれないと感じているのではないでしょうか。
でも夜を越えれば明日がやってくるように自分は今、夜を過ごしている。
明日に希望はないのに、明日がやってくる意味とはなんなのか。
ここで言う雨というのは絶望的な状況を表すものでしょう。
右目ではただその絶望を映しながらも、左目ではその状況が自分にとって何を表しているのかを考えている。
すなわち、絶望しながらもその中に意味を見出そうとする自分も感じているのです。
理想の人物像を思い描き、必死でもがく
止まらないビジョン
秩序のない 君の流れ
右目に映す 晴れ
左目で消していく期待
出典: you may crawl/作詞:内村友美 作曲:School Food Punishment
革命を起こす人というのは往々にして常識外れなことをするものだと言われます。
「止まらないビジョン」「秩序のない」などここで歌われているのはそんな人を表したような内容。
きっとこれは自分と対照的なその人を主人公が羨んでいることからでしょう。
そういう人たちが右目に映している「晴れ」とは、さっきの雨とは逆の希望のこと。
そして左目で期待を消していくというのは、他人には期待していないということのように感じます。
つまりそれは自信の表れ。自分の力を信用しているということですね。
そんな人物像を思い描きながら、主人公は必死に変わろうともがいているということでしょうか。
覚悟を決める主人公
現状を変えてやるという気持ちの表れ
明日は折れた
その中に残ってる 夜
利き手に移す鍵
左手の意味を取る
出典: you may crawl/作詞:内村友美 作曲:School Food Punishment
理想の人物像を思い描くことから、自分の置かれた現状へと意識を戻す主人公。
相も変わらず自分の明日に希望を感じることはできません。
それでもやってくる明日に対して、主人公が利き手に鍵を持ち直したという表現がここで登場します。
これはきっと「扉を開いてやる」つまり現状を変えてやるという気持ちの表れではないでしょうか。
そして主人公が絶望に際したときに、考えを巡らせていたのは左目でした。
このことから恐らく主人公は左利きなのではないかと感じます。
自分に利き手がある意味はなんなのか…それは現状を変えてやるという主人公の気持ちに表れているのではないでしょうか。
起こったことは変えられないから、進むしかない
埋まらない昨日
記憶の手前にある 希望
きりのない移動
気後れするような 昼の軌道
出典: you may crawl/作詞:内村友美 作曲:School Food Punishment
主人公は自分に不甲斐なさを感じる出来事が起こるまでは、「もっとやれる」という希望も持っていたのではないでしょうか。
しかし実際ことが起こってみればあまりに不甲斐ない自分がいて、そういう自分がいたことは変えようもない事実です。
「埋まらない昨日」というのは、まさに昨日起こったことは変えられないという意味。
それをしっかりと受け入れた主人公は、昨日が変えられないのなら明日を変えればいいとでも言うかのよう。
見るにも気後れしてしまうような理想の姿に向かってまた進み始めたのです。