忘れられない想い
楽曲「ズルいよ ズルいね」には、2人の登場人物がいます。
歌の主人公である「私」と、過去に交際していたであろう「君」です。
2人は3年前に別れ、その後会っていないらしいことが読み取れます。
しかし「私」は、まだ気持ちの整理をつけることができていません。
曲中には、恋の回想と小さな本音が込められているのです。
出会いを覚えている
大きな恋心
(ズルいよ)こんな気持ち 二度とないでしょう
(ズルいね)「好き」はゴール知らずに走る
(ズルいよ)ありがとう
(ズルいね)もう会わない人
今もまだ想ってる
出典: ズルいよ ズルいね/作詞:指原莉乃 作曲:長沢知亜紀,永野小織
「好き」という言葉で表される感情には、幅のようなものがあります。
大きな好意も、少し心がときめく程度の想いも、同じ言葉に含められるのです。
「私」が君に対して抱いた想いは、後にも先にもないと思えるほど大きなものでした。
思いが先行すると、後のことを考えるのは理性の仕事になります。
つまり、想いを伝えるのか、黙っておくのか。
あるいは交際に発展するか、さらに結婚するかということです。
その後の展開を考えることなく、好意は沸き起こってしまいました。
結局、「私」と君は今別々の道を歩んでいます。
別れたからといって、すぐに想いを断ち切れるわけではありません。
「私」は今も、君に変わらない想いを抱き続けているのです。
初めての出会い
7時丁度の電車
強い雨の日だけ乗ってくる
こっち見て はにかんだ顔
3年経っても覚えてるよ
出典: ズルいよ ズルいね/作詞:指原莉乃 作曲:長沢知亜紀,永野小織
「私」と君が初めて出会ったのは、3年前のことだったようです。
常に電車を使う「私」に対し、君が電車を利用するのは決まった天気の日だけ。
いつもと違う人が乗ってくれば、すぐに気づけたのでしょうか。
「石の上にも3年」という言葉もあるように、3年は1つの節目になりえます。
およそ1000日にも及ぶ日々が過ぎているのに、君への印象は色あせることがありません。
「私」の想いの深さがうかがえます。
着られない服
Ah 褒めてくれた 赤いワンピースは
次の予定を待っているの
今日だって雨は 降ってるのに
2両目 君はいないね
出典: ズルいよ ズルいね/作詞:指原莉乃 作曲:長沢知亜紀,永野小織
好きな人に言われた何気ない言葉が、ずっと心に残ることがあります。
何かを「素敵だね」と言ってくれたのであれば、印象はモノにも残るものです。
「私」にとって、それは1着の服でした。
クローゼットにかかっているのを見るたびに、君に言われた言葉が蘇るのかもしれません。
そのせいで、袖を通すのをためらうようにまでなっています。
ですが「私」がどれほど君を想っても、天気が悪くても、君が現れることはありません。
君は遠くへ行ってしまったのです。
小さな本音
ねえ 望んでた街で
ねえ どんな月を見て
ねえ 誰を想ってる?
出典: ズルいよ ズルいね/作詞:指原莉乃 作曲:長沢知亜紀,永野小織
君には、何かの夢があったのでしょうか。
親密な間柄の相手に夢や目標を話すのは自然なことです。
「私」と別れた君は、夢を叶えるために別の街へ引っ越してしまったのでしょうか。
遠く離れた場所で、君は何を考えるのか。
「私」は想いを巡らせています。
誰のことを考えているかを想う時、「私」は微かな願いを込めているかもしれません。
考えているのが、自分のことだといいな、などと。