ギターソロを明けてのCメロでは、白黒になった映像に重ねられるどこか儚げなメロディ。

「星に届かない」という歌詞が登場するのですが、それもあってライトが夜空に輝く星のように見え、なんとも幻想的な雰囲気を醸し出します。

2:20~まさに完全燃焼!

ラストのサビは1番とはまた違った印象。

疾走感を増したアレンジにカメラアングルも動き回り、呼応するようにその姿を追い掛けます。

演奏を終えた彼らの「やり切った感」は実に爽快。

何事もなかったかのようにステージから消える演出には、清々しい気持ちを覚えます。

背後に携えるマーシャル・ウォールがバンドのルーツを物語る

演奏するメンバーはもちろんですが、一際目を引くのは背後に積み上げられたマーシャル・ウォール。

最近の日本のバンドでこれを前面に押し出している人たちってあまり見かけませんよね。

これはハンブレッダーズのルーツは意外と古いロックなのかなと思わされる一面。

ロックに詳しい方ならこの呼び名もご存知でしょうが、ここで少しその成り立ちを説明しておきましょう。

マーシャル・ウォールって一体?

マーシャルと言えば、今やライブハウスに行けばどこでも大体は置いてあるロックバンドの業界標準的な位置を担うアンプです。

ロックで大事なのは、やはりライブでの音量ですよね。

マーシャルが登場して間もない60年代、70年代のミュージシャンも当然アンプに大音量を求めました。

現代だとライブ会場の音響設備も整っているのでアンプ自体の音量はさほど求められないのですが、当時は「とにかくアンプの出力を!」という感じだったのでしょうね。

ロックミュージックの大衆化によってアンプの大音量、大型化の要求が強まった。特に熱心だったのが、ザ・フーのピート・タウンゼントで、彼は最初、100Wの特注アンプ(JTM45/100)と共に、直径12インチ(約30cm)のスピーカーを8個入れた縦長のキャビネットの製作を提案した。しかし、それは重量が重く大型のため、機材の運搬に手間が掛かり、不評であった。

出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/マーシャル_(アンプ)

ただ単にアンプを大きくすれば、音量は出せるけど当然持ち運びには骨が折れます。

これを経て考え出されたのが、アンプを積み重ねることでした。

その解決策として、マーシャル社は12インチスピーカーを4個入れたキャビネットを2台重ねて使うことを発案する。これにより、同等の効果が得られ、運搬や設置の労力も減らされることとなった。さらに、その上にアンプ部を重ね、3段積みとした独特のスタイルは「マーシャル・スタック」とも呼ばれ、自社のトレードマークになった。

出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/マーシャル_(アンプ)

アンプを大きくするのではなくて、数を増やせば音量も稼げて、しかも運搬も楽!

相手はロックミュージシャンです。

2個、3個と積み重ねれば、とにかく増やせと言わんばかりに、壁のようなとんでもない数のマーシャルを並べる人だって現れます。

その迫力は音量だけではなく見た目にしても圧巻で、当時一つのスタイルとして一世を風靡したんです。

著名なミュージシャンが次々とマーシャル社のアンプを使用し、ステージ後方に壁のように置かれたアンプ・キャビネット群は、「マーシャル・ウォール」、「マーシャルの壁」などと呼ばれ、ロックバンドの一つのスタイルとして定着した。

出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/マーシャル_(アンプ)

マーシャル・ウォールは先人へのリスペクト?

ここまでがマーシャル・ウォールの成り立ち。

今は音量を出すためにここまで大掛かりなことをするのも稀。

それに彼らの楽曲を聴いていてもそこまで音量が必要だとも思えません。

これをMVのバックに並べたのは、ハンブレッダーズの先人たちへのリスペクトの表れなのかもしれませんね。

歌詞からは彼らの音楽の向かう先が垣間見える!

MVの熱も冷めやらぬ中、続いてはこの曲の歌詞を覗いてみましょう。

「こどものままで おとなになろう」という耳に残るフレーズ。

そこには、彼らがどんな人たちに向けて音楽を届けたいのかも垣間見える意味が込められていました!

つまらない世間になかなか馴染めずにいるそんな人に…