和楽器バンドが3rdシングルをリリース!
和楽器が起こす風を洋楽器で支え、風に乗った歌声がどこまでも高く上っていく。
和と洋が織りなすロックナンバーを違和感なく作り上げるのが「和楽器バンド」です。
8名の大所帯で和楽器4つに洋楽器3つプラスボーカルという音数の多さでも、パワーばかりではないバランスを保っています。
和楽器ならではの奥ゆかしい音色がポイントなのかもしれませんね。
3rdシングル収録『義風乱舞』
2018年11月14日、和楽器バンドの3枚目のシングル「細雪」がリリースされました。
全4曲がタイアップを獲得している豪華シングルです。
今回ご紹介する『義風乱舞』は、このCDの3曲目。
4曲目の『蜉蝣』とともにニューギングループの「義風堂々!!」シリーズのテーマソングとなっています。
『義風乱舞』をピックアップ!
1990年から週刊少年ジャンプで連載が始まった、前田慶次を中心とした漫画「花の慶次」。
そのスピンオフとして制作されたのが「義風堂々!!」です。
前田慶次の盟友である直江兼続の生き様が描かれています。
『義風乱舞』では彼らの姿がどのように表現されているのでしょうか。
乱世で彼らを前に進ませた原動力とは?
『義風乱舞』の歌詞の世界に迫ります!
戦う運命だった直江兼続
戦乱の世に生まれ、戦うことが当たり前だった男たち。
それぞれの正しさを胸に戦っていました。
味方の中に敵がいる残酷な時代
残酷な乱世に 生まれし者たち
風に舞う桜の 導くが如く
忠義を尽くす為 己の真(しん)に問う
魂の声
出典: 義風乱舞/作詞:鈴華ゆう子 作曲:鈴華ゆう子
直江兼続がこの世に生を受けたのは永禄三年、桶狭間の戦いが起きた年です。
群雄割拠の時代を生きる運命にあったといえるでしょう。
この時代に直江兼続、前田慶次は生まれました。
誰もが天下を夢見て刀を振るい、敵を蹴落とし、あるいは寝返り、討ち合う。
「敵」の中には親兄弟をも含んでいるのです。
勝利こそが正義という世の中はまさに「残酷」でした。
春にしか咲かない桜の花を追っていけば、次なる時代に繋がっていきます。
ですから、時代の流れに逆らわずに歩んでいったことを表しているのでしょう。
また、兼続にも慶次にも同じ時間が流れていることを示しているとも考えられます。
直江兼続は上杉謙信の後継者である上杉景勝に仕えていました。
景勝のためにできることは何か、彼のために捧げたいものは何かを常に考えていた兼続。
それによって親しい人が不利になったり、自分が不利な立場に置かれるかもしれません。
それでも兼続は自分の中にある正義だけを信じて進んでいきました。
「愛」の所以(ゆえん)
兜に愛を掲げ挑む
戦国の世で散りゆく定め
今こそ我が身捧げ刹那に
大地踏みしめ参らん
出典: 義風乱舞/作詞:鈴華ゆう子 作曲:鈴華ゆう子
直江兼続といったら、兜の上に「愛」のモチーフがついていることが有名です。
なぜ「愛」なのかは諸説ありますが、武芸の神の名前からとったのではないかという説が有力です。
愛宕権現(あたごごんげん)や愛染明王(あいぜんみょうおう)、いずれにも「愛」があります。
ある意味「願掛け」ですが、できることは全て成し遂げたかったのでしょう。
いつまで続くか分からない戦国の世で、兼続は世明けに立ち会えないだろうと思っていたようですね。
どうせこの時代の荒波に巻き込まれて死ぬことが分かっているのなら、できることは全て成し遂げる。
自分が犠牲になって景勝のためになるのなら、ためらっている暇はありません。
今この一瞬にも前に進まなければなりません。
実は景勝のため、ではなく慶次のためだったのかもしれません。
前田家を出奔するなど奔放に生きた慶次と、上杉家のために生きる兼続。
似ても似つかない二人は後に、お互いのためなら命も惜しくないという仲になるのです。