「WGB」として公開した「Starlight」

フジテレビ系列の「月9ドラマ」として人気「イチケイのカラス」

主人公・入間みちおを演じる竹野内豊さんや、バディとして成長する坂間千鶴役の黒木華さんが見所です。

1件1件の事件に深く関わり、「人と人との繋がり」を重んじる入間に、思わず見入ってしまいますよね。

そんな「イチケイのカラス」の主題歌である「Starlight」は、当初誰が歌っているのか不明でした。

アーティストの欄には「WGB」の文字。

SNS上ではさまざまな憶測が飛びかい、このドラマの注目ポイントの1つにもなっていました。

実はこの「WGB」は、ボーカロイド楽曲のカバーでも知られる和楽器バンド」の古くからの愛称

中には「WGB」の正体に気がついていた人もいることでしょう。

ボーカル・鈴華ゆう子さんの艶やかな声と厚みのあるサウンドは、彼らにしか奏でることができません。

ファンはもちろん、和楽器バンドのことを知らなかった人にまで、広く知れ渡ることとなりました。

大切なもの

「Starlight」は、その名の通り「星の光」をイメージして制作された楽曲です。

主人公にとって、光のような存在である「君」に向け、決意と希望を込めた歌詞が並びます。

「イチケイのカラス」でいえば、それは坂間千鶴にとっての入間みちおのよう……。

彼女の視野を広げ、新たな世界へと導いてくれた入間は、紛れもなく「光」のような存在です。

そして、聞き手1人1人が思い浮かべるであろう「大切な人」

自分にとって明るく輝くような存在をイメージしながら聴きたい楽曲となっています。

身近にあるかけがえのないものたち

そばにある大切さを
気付けない日々の中で

アスファルトに芽吹く小草
生命は輝き
見上げる空、流れる雲
息をして駆け出そう

出典: Starlight/作詞:町屋 作曲:町屋

「大切なものは、自分のすぐそばにある」

そんな名言を思い浮かべるような歌詞から、曲がスタートします。

灯台下暗しというように、自分のすぐそばにあるものはつい見落としがち。

大切な人やものを追い求めるがあまり、既に手にあるものを軽んじてしまうこともあります。

隣にいる人がどれだけ大切かは、離れてみなければ分からないこともあるでしょう。

それは、今生きている日々が平和で幸せに満ちたものだから。

失うことなど考えもしない日々の中では、本当の大切さを実感することは難しいのです。

しかし、ふと視点を変えてみると、世の中には大切なものであふれていることに気がつきます。

道端の草も、空も、雲も、まるで呼吸をしているように目いっぱい輝いているもの。

それを見ているうちに、何だか自分も一生懸命に生きてみたくなって……。

体中に力がみなぎるように、思い切り息を吸い込んで駆け出していくのです。

未来の自分を思い描く

君がくれたこの気持ちを
君が愛したこの世界で
自分の言葉そのままに
焦りや迷いも乗り越えたい
私がいつか全てのこと
歓びに変えて行けるように
同じ景色を見ていたい
走り続けよう
新たな未来へ今

出典: Starlight/作詞:町屋 作曲:町屋

ボーカル・鈴華ゆう子さんの声がすっと伸び、強さの中に儚さを感じさせるサビがやってきます。

大切な君の存在に気がついてから、君の見る景色を自分も見たいと感じていた主人公。

いつも見る風景は、君の目にどんな色をして映っているのだろう……。

道端の小草も、空も、雲も美しく見え、今までより一層それらを愛する気持ちが強まります。

そう思えたのは、君がいたからに他なりません。

なんでもなかった世界がカラフルに色づき始めたのは、君のおかげなのです。

そんな素晴らしい世界の中で、次は自分の気持ちを素直に表現してみたいと思うようになった主人公。

新たな道を進むときには、必ずといっていいほど焦りや迷いが生じます。

しかし、それらに惑わされることなく、自分を信じることで道は開けるもの

君は世界の素晴らしさを伝えながら、主人公の持つ可能性にも気がつかせてくれていたのです。

笑顔を見せてくれた君

変わりゆく日々の中で

変わりゆく風の中で
迷う日もきっとあった

出典: Starlight/作詞:町屋 作曲:町屋

毎日を生きていく中では、凪のように穏やかな日もあれば、のように風が吹き荒れる日もあるでしょう。

時に追い風となって背中を押してくれたはずの風は、次の瞬間には向かい風となって行く手を阻んできます。

日々吹き方や強さが変わる風の中を進んでいるうちに、もうやめたいと思う日も……。

または、そのめちゃくちゃな風に惑わされ、進むべき方向を見失うこともあるはずです。

しかし、今思えばそれもすべて過去のこと

さまざまな迷いや葛藤を「思い出」としてとらえ、前しか見ていない主人公の姿が見て取れます。

1人で膝を抱えた日には、誰かに寄り添ってもらいたくなるもの。

ブルーな日を乗り越えてこそ、寄り添ってくれた相手のありがたみが身に沁みます。

君に手を取られ進んでいく

それでも今、私達が
揺らいでいないのは
君が見せた笑顔だから
このまま前を見て

出典: Starlight/作詞:町屋 作曲:町屋