自由で開放的なラテンミュージック
陽気で悲しい主人公の気持ち
Yo te miro, se me corta la respiración
Cuanto tú me miras se me sube el corazón
出典: Bailando/作詞:Enrique Iglesias 作曲:Enrique Iglesias
ラテンのリズムがとってもポップな、ダンスミュージックの「Bailando」。
しかしながら、曲調はどこか退廃的で哀愁を漂わせるムードにも聞こえます。
特に出だしのギターのリズムは聴き入ります。
そんな「Bailando」の出だしはこうです。
「君を見るだけで息を吞むよ」。
「君が僕を見ると心が高まるよ」。
まずこの曲の主人公には片思いの女性がいます。
声もかけられないくらい熱い思いを抱いているのです。
それを歌詞の初っ端からオープンにしているのです。
「君を見るだけで息を呑むよ、そして心も高まるよ」。
というフレーズから早々と主人公の心の内がオープンにされています。
つまりお目当ての彼女にメロメロなのです。
寝ても覚めても彼女のことを思い続けているのです。
それは「息を呑む」「心が高まる」「心臓が脈打つ」。
この3つのフレーズだけで、主人公が彼女を見るだけで、心臓がバクバクする心情が表現されているのです。
君の瞳に恋してる?
Y en silencio tu mirada dice mil palabras
La noche en la que te suplico que no salga el sol
出典: Bailando/作詞:Enrique Iglesias 作曲:Enrique Iglesias
「何も言わなくても、君のまなざしが千もの言葉を言ってるよ 」。
「夜君に太陽が昇らないように頼む」。
君のまなざしからは、次から次へと言葉が僕に向かって飛び込んできます。
それも千もの言葉です。
まるで君に太陽が昇っているかのようです。
夜になっても君には太陽の光が輝いてます。
そういう主人公の心の叫びが聞こえてくるのです。
Bailandoとはどういう意味なのか?
「Bailando」は英語にすると「dance」
今回の記事のテーマの根幹を成すものが「Bailando」。
つまり「踊り」であり英語表記でいうところの「dance」です。
ただdanceといっても、日本のエアロビ教室で行ったりするようなレッスン的なもの。
そしてdance大会において、パフォーマンスを競うような類のものではありません。
南米文化が脈々と受け継がれている
それは「Bailando」には南米ラテン文化が脈々と受け継いだ自由と情熱。
そして「奔放」なものがミックスされた踊りといえるからです。
南米文化にdanceはつきもの。といいますかもはや生活の一部。
彼ら彼女たちはいつでもどこでも、陽気に身体を動かすことができるのです。
そして「楽しいこと」=「dance」、という図式が成り立っているのが南米文化。
そのような背景があってこの楽曲は成立するのです。
よって「Bailando」というdanceは、特別なものでもなんでもない。
日常生活における、ごく当たり前の動きなのです。
この意識をもって聴いていただければ、主人公の想いにも近づけるのではないでしょうか。
こんなdanceをやってみたい!
さあ、隙間を埋めよう
Tu cuerpo y el mío llenando el vacío
Subiendo y bajando (subiendo y bajando)
(Bailando, bailando, bailando, bailando)
出典: Bailando/作詞:Enrique Iglesias 作曲:Enrique Iglesias
主人公の気持ちが素直に表現されている歌詞が続きます。
「君の体と僕の体、隙間を埋めて上がって下がる(上がって下がる)」。
この曲の全編を司るもの。それはdanceです。
つまり「Bailando」なのです。主人公は夢の中で彼女と激しくダンスを踊り続ける。
体と体をくっつけ隙間もありません。
そして激しいdanceは、彼女の体を上に下にバランスよくリズムに乗って舞わせます。
スキンシップの多い激しいダンスは、ますます主人公の心を炎のように燃え上がらせていくのです。
その証拠に次の歌詞はますます燃え上がる主人公の心を描写しています。