自由が奪われた世界

ずっと眠ってた
ずっと黙ってた

出典: 突撃ロック/作詞:甲本ヒロト 作曲:甲本ヒロト

今、日本国内では、誰もが自身の可能性を信じ、自由に進む道を選択できます。

しかし、数十年前の戦中は、国民が自由に発言する権利すらありませんでした。

名だたる音楽家は、戦地へと向かう兵士のために、苦悩しながら軍歌を作ることに。

自分の意志とは相反する曲を作らなければなりませんでした。

武力では何も解決できない。コミュニケーションが融和の糸口になる。

このような当たり前のことを誰一人として言えず、口をつぐんでいなければならなかったのです。

戦争こそ正義として受け入れなければならず、拒否が許されない状況は、恐怖絵図。

自分らしく生きられる現状を踏まえた上で、過去の歴史を“眠って”や“黙って”と表現しているようです。

仲間と共に平和を築く

おおい呼んでいる
おおい行ってみよ
遠くに何かが見える

出典: 突撃ロック/作詞:甲本ヒロト 作曲:甲本ヒロト

戦争という過ちを犯した人間。

けれども、終戦後、皆が一丸となって平和を願い、呼び寄せようとしました。

その姿が1行目の“呼んで”から想起されます。

そもそも、人間は、他者に寄り添って取り計らうことが得意な生き物。

コミュニケーションを深める中、信頼関係を構築することが可能です。

先人たちは、仲間と励まし合いながら、真の平和な世界を目指したのでしょう。

2行目の“行って”が清々しい雰囲気を漂わせ、復興に汗を流す人々の光景を想起させてくれます。

きっと元の生活に戻れる。また皆で笑える日が来るんだ。

そのような声を掛け合って奮闘する中、復興の兆しが“遠く”に見えてきたのかもしれません。

それは、子どもも大人も、自分らしく暮らせる環境。

1人の人間としての権利を主張し、自分の人生を歩むことは、多くの人々の夢でした。

“何か”とは、先人たちの涙ぐましい努力の証、平和の足音を表しているのでしょう。

人間が紡ぐもの

人類の歴史と重責に触れてみよう

勉強よりもいま
大切なもの

出典: 突撃ロック/作詞:甲本ヒロト 作曲:甲本ヒロト

今、本当に必要なものは何だろう?大切なものを考えよう!

甲本ヒロトさんがリスナーに問いかけているようです。

”勉強”よりも優先するべき事とは、何を指しているのでしょうか。

それは私たち人間が歩んできた歴史、果たさなければならない重責を知ること。

人間は、高度な知識と技術を手に入れたことによって、傲慢な考えを持つようになりました。

核兵器による威嚇。自然の摂理を無視した森林伐採と動植物の乱獲。

私利私欲を満たすために、いくつもの生命を奪ってきたのです。

この事実から目を逸らしていては、また過ちを繰り返してしまいます。

過去を理解して反省する中、少しでも安寧秩序の継続に貢献できるのではないでしょうか。

ゆえに、甲本ヒロトさんは、今一度”大切”なものを考えてほしいと願いながら作詞したのかもしれません。

天から命を授かり、生を受けた時点で、この世界を形づくる一員。

このことを理解し、命をつなげるための行動が“大切”なのですね。

人間が人間を導く

おおい呼んでいる
おおい行ってみよ

出典: 突撃ロック/作詞:甲本ヒロト 作曲:甲本ヒロト

戦中・戦後、人々の心は、先が見えずとどまっていました。

暗闇に包まれ、満ちる絶望感。希望を踏みにじる厳しい現実。

そのような時でも、”おおい”と仲間を呼んでみると、少しずつ不安や苦悩が薄れていったのかもしれません。

人間を傷つける要因も、人間の心を救うのも、人間の言動なのです。

戦争で荒んだ心は、人間の温かみによって癒されたのではないでしょうか。

よし行ってみよう。向こうに居る仲間を呼んでくるよ。

そのような会話を通じて、人々の心に明かりがともり、未来への希望を感じたのでしょう。

見つかりそうなんだ

出典: 突撃ロック/作詞:甲本ヒロト 作曲:甲本ヒロト

自身が困難を極める状況下、なかなか周囲を気遣うことはできません。

それでも、親身になって手を差し伸べてくれる仲間は、一生のとも呼べる存在。

ピンチに陥った時こそ、真の友情や仲間の尊さに気づかされるのです。

このような発見を”見つかり~”が表しているのではないかと推測できます。

傍らに仲間が居るから