King Gnu「Teenager Forever」を解説!
「CEREMONY」リード曲

約2年ものあいだライブで演奏され続け、進化を遂げた果てにようやく音源化されたKing Gnu渾身の曲がこちら。
デジタルシングルとして先行配信されたのは2019年12月のことでした。
3枚目のアルバム「CEREMONY」(セレモニー)にはリード曲として3曲目に収録されています。
MVは2020年1月に公開されました。
- キングヌー:以下ヌー。
- ティーンエイジャー フォーエバー:以下ティーン。
ソニーのイヤホンCMソング

ウォークマン版のCMもあり

CMソングとしては、ソニーのハイレゾ級高音質ウォークマン「NW-A100」シリーズにも起用されました。
どちらのCMでも「ティーン」の一部を聴くことができます。
そのうちナレーションを担当しているのはイヤホン版が井口理さん、ウォークマン版が常田大希さんです。
ちなみに、このCMのメイキング映像やインタビュー映像もソニーの公式サイトで紹介されています。
ファンの方はチェック済みと思われますが、メンバーたちの音楽に対する熱い思いが伝わる内容ですので、ぜひ!
そして待望の音源化が発表されてから、実際にリリースされるまでのあいだも長かったですね。
ソニーストアでのみフルバージョンが聴ける時期があり、ファンが大勢押し寄せるという現象が発生しました。
そんな「ティーン」ですが、AメロBメロCメロすべてがまるでサビ!
どのパートも独立した1曲として成立するほど濃すぎるサウンドです。
しかもガラッと曲調が変わっているはずなのに「ティーン~」のコーラスがあまりにもキャッチーで統一感抜群!
歌詞の内容とも相まって、とくに若い世代のハートに真っ直ぐ突き刺さるのではないでしょうか。
ストレートに音楽の感動が呼び覚まされるという意味ではむしろ大人になるほど聴き応えがあるかもしれません。
まさに新時代を象徴する、今をときめくロックナンバーといえるでしょう。
そして歌詞はヒリヒリするような痛みを抱えつつ、キラキラ輝く秀作です。
Teenager Foreverの歌詞をチェック!
10代少年の心の内
他の誰かになんて
なれやしないよ
そんなのわかってるんだ
明日を信じてみたいの
微かな自分を
愛せなかったとしても
Teenager Forever
出典: Teenager Forever/作詞:Daiki Tsuneta 作曲:Daiki Tsuneta
それでは「ティーン」の歌詞を解説していきましょう。
まず、いきなり井口さんのボーカルから始まるイントロの「Aメロ+コーラス」部分です。
井口さんの前のめりに突っかかるような入り方と、少年が駄々をこねる姿を彷彿とさせる語尾が秀逸。
なだめるかのように、常田さんのアコースティックギターが寄り添います。
ところが逆に少年の葛藤を増長するかのごとくエレキギターがカットイン。
このきっかけを待ちわびたとばかりに「ドッドッドッドッ」とイカついドラムが始まります。
そして縦横無尽に飛び跳ねるベース。
4人の才能あふれる大人たちが少年時代の音楽的初期衝動を本気で再現し、荒ぶる姿に震えが止まりません。
まさに青くさいロック!
この歌い方やサウンドに呼応して歌詞も思春期真っ盛りといった内容です。
まず冒頭の3行から。
ここでは「自分以外の誰かになる」、そんな話が出てきます。
別人になりたいという願いが叶わないことは理解しているという独白です。
この「誰かになりたい願望」ですが、どこかで聞き覚えがありませんか?
朝目覚めたら
どっかの誰かに
なってやしないかな
なれやしないよな
聞き流してくれ
出典: 白日/作詞:Daiki Tsuneta 作曲:Daiki Tsuneta
サウンドが劇的な変化を遂げる「白日」の後半部分の歌詞にも、似たような内容がありました。
ちなみにヌーの曲はすべて常田さんが作詞されています。
そうすると「もしかして常田さんは自分以外の誰かになりたいの?」と思う方もいるかもしれません。
もちろん歌詞は創作なので、常田さんの心の内がそのまま反映されているとは限らないでしょう。
大前提として「ティーン」や「白日」でも歌物語の主人公の内面が描かれているわけです。
ただ端からは天が万物を与えたかのように思われる常田さんさえこうした変身願望を認識されているということ。
そのため最初から心の距離がグッと縮まり、共感しながら歌詞の世界へと入り込むことができるでしょう。
後半3行は「自分が嫌いでも未来に希望をもちたい」という宣言です。
自己嫌悪のような「自信がもてない」といった感情も、とくに思春期に多くみられるものでしょう。
心の内なんて
わかりゃしないって
出典: あなたは蜃気楼/作詞:Daiki Tsuneta 作曲:Daiki Tsuneta