King Gnu奇跡の名曲McDonald Romanceを振り返ろう!
名曲揃いのKing Gnu(キングヌー・以下ヌー)のうち青春を思い出すのにぴったりなナンバーはこちらでしょう。
「McDonald Romance」。
「マクド」という愛称でファンに親しまれている人気曲です。
インディーズ時代の1枚目のアルバム「Tokyo Rendez-Vous」(ランデブー)に収録されています。
実はヌーのメンバーたちにとっても奇跡的な名曲なのかもしれません。
今回はこの「マクド」を解説します。
「マクド」はこんな曲
ドロマンス!
- 「マクドナルド・ロマンス」
- 「マクドナル・ドロマンス」
よく見ると、言葉の前半と後半で一息つくポイントが違いますね。
実は、ギター&ボーカルの常田大希さんが曲紹介の際「マクドナル」までしか言えなくなったことがあるのです。
そこで切ると「ドロマンス」になってしまいますね。
ともあれ「マクド」はヌーというバンドにとっても貴重な名曲です。
ボーカル&キーボードの井口理さんもあの時期の常田さんにしか書けなかった曲だろうと振り返られています。
一言でいうと「貧乏時代の純愛」が描かれたラブソング。
まさにドロマンスです。
「売れそうでなかなか売れない」と言われ続けたヌーも、「白日」の大ヒットによって報われました。
その前の、ヌーというバンド自体の甘酸っぱい青春時代が封じ込められた奇跡の1曲です。
ジャズっぽいフォーク?
続いて「マクド」のサウンド面に注目してみましょう。
歌詞やボーカルは井上陽水さんのようなフォークソングや歌謡曲の世界観をかもし出しています。
ところがピアノやベースはロバート・グラスパーみたいなジャズっぽい雰囲気です。
そしてドラムのビートはヒップホップサウンドという混在ぶり。この掛け合わせの妙がヌーの魅力です。
しっとり歌えて踊れるポップなフォークソングという矛盾をさらっと叶えているところが天才的です。
そんな「マクド」のMVですが、これがまたヌーの軌跡を踏まえると非常にエモい仕上がりになっています。
「マクド」のMV

このMVでは(今よりもっと?)イケメン時代のイグチリ(井口さん)を拝むことができます。
常田さん、セキユー(勢喜遊さん)、新井先生(新井和輝さん)もキラキラ輝いていますね。
これは2017年4月にKing Gnuへと改名する前のことでした。
前身バンドSrv.Vinci(サーバ・ヴィンチ)時代も細々と改名されていましたが、いずれにしても黎明期の4人です。
アメリカのイベントSXSW(サウス・バイ・サウスウエスト)に参加し、ツアーを行ったときに撮影されました。
予めMV用とは決まっておらず、結果的に使えるという話になったそうです。
そのためラフな4人の姿が印象的。ライブの模様も貴重といえるでしょう。
ヌーというバンドにとっても一瞬のきらめく青春のような「マクド」の歌詞について深めてみましょう。
歌詞は現代版・四畳半フォーク?
「マクド」はジャズやヒップホップを基本とした、おしゃれで格好いいサウンドが魅力です。
ところが四畳半フォークみたいな歌詞のボーカルが乗っかっています。
かぐや姫の「神田川」が現代版としてよみがえったかのような歌詞の世界に入り込みましょう。
貧乏でも笑える恋
もう財布の底は
見えてしまったけど
それさえも 笑い合った
それさえも 恋だった
出典: McDonald Romance/作詞:Daiki Tsuneta 作曲:Daiki Tsuneta
「もうお金ないよ~」と言いながら笑い合うカップル。いや~青春ですね。
これを恋と言わずして何と形容しましょうか。そんなドロマンスです。
もちろん若いからこそ成立する話でしょう。これがそれなりに歳を重ねた大人だと笑えません。
いや「笑うしかない!」という大人の貧乏もありますが、おそらくそれは恋ではなく修羅場です。
ともあれ歌詞の冒頭から若い貧乏カップルの恋愛話だとわかりました。