新たな時代の幕開け

「平成」を振り返って

キズ【平成】歌詞の意味を徹底解説!今こそ人間そのものをやめるとき?傷つきながら平成を生きたあなたへ…の画像

2019年5月1日より、年号が「平成」から「令和」に変わりました。

皆様は「平成」を振り返ってどうでしたか?

一言では言い表せられないかもしれません。

「平成」という時代はバブルの崩壊、リーマンショック、大震災など、ポジティブとはいえない出来事が続きました。

スマホやSNSの発達は人間関係のあり方を大きく変えたともいえます。

様々な問題を抱えながら、必死に生き抜いた人もたくさんいるのではないでしょうか?

今回ご紹介するのはヴィジュアル系バンド・キズの「平成」という楽曲

傷つきながらも「平成」を生き抜いた経験を綴った歌詞を徹底解説していきます。

こだわりのMV

閉鎖的な空間と激情

「平成」は2019年3月19日にリリースされました。

こちらが「平成」のMV

納得できる映像に仕上げるため、公開を約1ヵ月延期したのだとか。

「平成」という時代を振り返りながら、狭い畳部屋の中で激しい演奏を繰り広げています。

閉鎖的な心と、破裂しそうな激情を表現しているのでしょうか?

ルミネーションに使われる電球が、首や腕に巻き付けられているのも印象的です。

途中、電球が巻き付けられた「首吊り」を連想させる縄が垂れ下がります。

「死」をちらつかているのでしょう。

さて、ここからは歌詞の解説に移ります。

希望を失った

たとえ死んだとしても…

一緒に死のう
日も昇るだろ
この命ひとついなくなっても

出典: 平成/作詞:来夢 作曲:来夢

もし自分たちが死んだとしても、世界は知らん顔をしていつもどおり朝日が昇る。

虚しいですね。

「死」を選択するまでにどれだけの絶望を味わったのでしょう?

「死にたい」と感じるのは、それ以上に「生きることが辛い」からのはず。

でも、悩み抜いた末の「死」という選択は、世界全体から見るとちっぽけな影響しか与えないのです…。

自分の存在意義を見つけられないでいるのが読み取れます。

報われないのなら

一緒に死のうよ
綺麗にただ
諦めればいいだけで
一緒に死のうよ
生きたくても
生きられないこの街で

出典: 平成/作詞:来夢 作曲:来夢

やはり、「死」を望む背景には「いっそ楽になりたい」という考えが垣間見えます。

「諦める」という表現にも注目しましょう。

「諦める」ということは、「希望」や「願い」があったということ。

それらを抱えて必死に生きていたのです。

でも、いつまで経っても報われることはない…。

目指す未来を見失ったとき、ふいに絶望の波に襲われ、力尽きそうなのかもしれません。

生き辛さの理由

「人間」になりたかった

やめればいい人間のフリも
人間である必要もない
捨てればいい自尊心も
この国には必要もない

出典: 平成/作詞:来夢 作曲:来夢