サイダーガール【ばかやろう】の概要
ポップなリズムと甘酸っぱさを感じさせる歌詞が人気の、スリーピースバンド「サイダーガール」。
そんな彼らが2019年12月先行リリースしたのが「ばかやろう」です。
本曲は「SODA POP FANCLUB 3」のアルバムに収録されています。
一切オブラートに包まないタイトルは衝撃的ですね。
しかし、曲はタイトルから想像できないほどフレッシュな青春ソングとなっています。
王道なリズムでありながら、耳にスッと入ってくる爽やかなメロディー。
彼らの特徴である青春ロックがここにあります。
そして今回の曲のテーマは大人になる切なさと、それに抗おうとする若者の力強さです。
歌詞を読み込めば読み込むほど、聴いていて色々考えさせられる内容となっています。
曲中の「少しずつ大人になる」というのはどういうことなのでしょうか?
歌詞の中から紐解いていきます。
歌詞解説スタート
主人公は高校生
大抵のことがずっとつまんなくなっている
そんなこと分かってるけど
大抵のことがもっと嫌いになっていく
いい加減にそろそろ飽き飽きなんですわ
出典: ばかやろう/作詞:知 作曲:知
主人公は隠れてタバコを吸い、大人になることを意識する年代です。
加えて一人称は「俺」なので、男子高校生だと見るのが自然でしょう。
以上のことを前提に歌詞の解釈をしていきます。
毎日同じことの繰り返し、朝起きて、学校に行って、授業をして、部活をして帰ります。
代わり映えのない毎日に嫌気がさしているようです。
彼にとって平凡は難しかった
正解なんて言葉信じてないけど
間違ってるなんて思っていないから
路地裏に隠れて煙草を燻らせて
平凡な日々を願っている
出典: ばかやろう/作詞:知 作曲:知
先生たちはくだらないことをやめて正しい道、しっかりした道を歩めと諭します。
でも正しい道って何でしょう?
確かにみんなが歩むような勉強して、立派な会社に入ることが正しいのなら彼は間違っています。
学校が勧める道は安定していて、歩きやすい道なのでしょう。
ただ彼にとってそれは苦痛で、とてつもなく難しいことだったのです。
彼は「道がないところを歩んだっていいんじゃないか?」とモヤモヤしています。
少し道から外れたところを行こうとすると「そっちは危ないからやめておけ」と諭されます。
間違っているわけじゃないのに、道から外れるとなぜか注意されるのです。
当たり前のように、みんなと同じように同じことを繰り返す毎日。
路地裏でタバコを吸っていることも、そんなに悪いことなのでしょうか?
彼は自分と世間のギャップに苦しんでいます。
「自分も他の人と同じように生きていけたら楽なのに」とタバコの煙を眺めながら彼は願います。
君の優しさが彼を大人にする
大人になるということ
君がどうした?って悲しそうな顔見せるなら
涙なんてモンは隠すよ
夕陽が傷跡赤く染めて 少しずつ大人になっていく
出典: ばかやろう/作詞:知 作曲:知
夕方なのでシチュエーションとしては、学校の帰り道だと考えられます。
傷跡はケンカしたときにできたのか、それとも部活に打ち込むうちにできたのかは分かりません。
しかし、どちらにせよ一生懸命やった結果が傷跡として残っているのでしょう。
彼は周りと同じように毎日を過ごすのは出来ませんでした。
自分の生き方を通そうとした結果、彼は心も体も傷だらけです。
ここで登場してくるのが君です。
そしておそらく彼は君のことが好きなのでしょう。
心配してくれる君の優しさが心に染みてきて、涙が自然とこぼれ落ちそうになります。
でも大好きな君に、そんな弱気な自分を見せるなんてできません。
夕陽が血の赤を隠すように、彼もまた弱い自分を隠します。
そして彼は恋を通して、だんだん大人になっていくのです。
1人で自分の生き方を貫こうとしても、それは自分勝手になってしまうでしょう。
なぜならそこに他人の目はないからです。
しかし、恋をすれば他人の目線からの自分を意識します。
大人になる第一歩は、相手を思いやる気持ちから始まるのでしょうね。
最低なことも君がいれば乗り越えられる
いつか最低なことにきっと出会ってくんだろう
いつだって俺が蹴り飛ばしてやる
出典: ばかやろう/作詞:知 作曲:知