この楽曲はボン・ジョビの「It's My Life」をオマージュしているそうです。

LAメタルのシンプルで力強いサウンドを荒涼とした雰囲気に溶け込ませながらメンバーはすまし顔で演奏を続けます。

なんか不自然な炎の演出が入ったところで、ひっくり返ったクルマが登場

いわゆる伏線です。

苦笑するしかありません。

一度目の爆破!?

サビに入ったところで、映像は突然メンバー全員が見切れる引きの映像に転換します。

そしてichigoさんベースの岸田さんギターのはやぴ~さんがジャンプ

ichigoさんなんて必殺技を打ち込むようなアクションまで披露しています。

練習したんでしょうか?

そして、ドラムのみっちゃんさんの後ろで1度目の爆破!!

ココイチの映像なのでもちろんスローモーションに切り替わります。

爆風でみっちゃんさんの髪がたなびいているところなんて、ちょっとセンチメンタルな気分にもさせてくれます

その後の爆炎を背景にした岸田さんの抜きの映像もちょっとした芸術作品です。

あっ、崖の上に誰かが!?

【天鏡のアルデラミン】岸田教団&THE明星ロケッツが戦隊ヒーロー?同名アニメOP曲のMV&歌詞を解説の画像

もう爆破を見せた後なのに、その後も本人たちはいたって真剣なそぶりで熱い演奏を続けていきます。

これも振りですね。

そして、おもむろに映像が転換してギターのはやぴ~さんがクルマから降りてきます。

崖の上でエフェクトをうならせるその姿は、クールでニヒルなアオレンジャーそのものです。

はやぴ~さんが弾くフライングVタイプのギターがアオレンジャーが愛用していた白いアコースティックギターに見えてくるから不思議です。

さらに、クルマがはやぴ~さんの横をすり抜けて崖の上から転落

これがやりたかったんですね。

変身ポーズ!?

【天鏡のアルデラミン】岸田教団&THE明星ロケッツが戦隊ヒーロー?同名アニメOP曲のMV&歌詞を解説の画像

そして崖の上から戻ったはやぴ~さんが、不自然過ぎる立ち位置で並ぶ3人と合流。

演奏シーンを挟み込んで期待感をあおった後にやっぱりやりました。

変身ポーズです。それも古典的なやつ

そしてバックで2度目の爆破!!

最後は余韻を残すためなのか、引きの映像で締めくくっています。

これこそ岸田教団&THE明星ロケッツの真骨頂!

【天鏡のアルデラミン】岸田教団&THE明星ロケッツが戦隊ヒーロー?同名アニメOP曲のMV&歌詞を解説の画像

やり切りました。

やりたいことを。

ただ、それだけとも言えますが、それが、岸田教団&THE明星ロケッツそのものなんですね。

岸田さんはバンドを結成するにあたって「化ける可能性のある能力を持っているヤツを連れてきたら、面白いバンドになるかもしれない」と話しています。

もともと一回のイベントに出演するために結成したバンドだったそうです。

それが、しっかりとした技術にそれぞれこだわりを持って音楽に取り組んできたメンバーが融合したことで、求められる存在になり得たのでしょう。

それぞれがこだわってきた中で見つけた遊べるところを、真剣にいじっているのが岸田教団&THE明星ロケッツの真骨頂だといえると思います。

「天鏡のアルデラミン」の歌詞を解説

【天鏡のアルデラミン】岸田教団&THE明星ロケッツが戦隊ヒーロー?同名アニメOP曲のMV&歌詞を解説の画像

それでは、「天鏡のアルデラミン」の歌詞についても見ていきたいと思います。

作詞、作曲は岸田さんです。

岸田さんはこの「天鏡のアルデラミン」を作詞した際のインタビューで「これまでリスナーの背中を押すような歌詞を一度も書いたことがない」と話しています。

自分が好きな曲にそういう曲が無かったのがその理由らしいですが、自身でも語っている天邪鬼的な性格も影響しているのかもしれません。

自分という個をしっかりと持ちながら、物事や世の中を冷静に見つめるアルデラミンの主人公と岸田さんはどこか似ている感じもします。

理想論に意味はない

現象を無視した 理想論に意味ははない
幸いな事に僕らには考える機能がどうやら必要だったらしい

英雄なんかになるようならば ろくな死に方はしないね
君に譲ってしまいたいが 選択権は僕にはないのさ

ただ一つだけ守りたいから

出典: 天鏡のアルデラミン/作詞:岸田 作曲:岸田

アルデラミンの主人公は志や理想、希望、信念などといった概念的なものは一切信じません。

「あらゆる英雄は過労で死ぬ」と公言するほど、非効率や努力をも否定します。

ここでいう現象は科学で説明できる事象のことです。

現在、ほとんどの事象は科学で説明できると言ってもいいでしょう。

でも、ひとや世の中はそれを往々に無視して、感情に身を委ねてしまいます。

あまつさえ、それこそが正しいことであると強弁して周囲をねじ伏せ押し通してしまうのです。

それを岸田さんは歌詞の冒頭に叩き込んで全面的に否定し、皮肉たっぷりに言い回します

主人公のキャラクターそのものですが、この流れるような皮肉は岸田さんの素がにじんでいるようにも感じます。

ただ一つだけ守りたいから」は主人公にとっては幼馴染のヒロインです。

でも、岸田さん的には「愛」とかじゃなくても、それぞれが好きなものなら何でもいいと思っているのではないでしょうか。

それで十分だね