高橋ひろ「太陽がまた輝くとき」
バンド・チューリップなどに参加した後、1993年にソロアーティストとしてデビューした高橋ひろ。
今回は彼の代表曲ともいわれている「太陽がまた輝くとき」をご紹介します。
この楽曲は1994年に発売されたシングル『太陽がまた輝くとき』の表題曲。
この作品がヒットした理由の1つにアニメとのタイアップがありました。
アニメ「幽☆遊☆白書」の第4期エンディングテーマで、最大のヒット曲。
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/太陽がまた輝くとき
恋人との別れ
大切な人への手紙
手紙が届いたら 封を切らずに
そっとしまっておいて 時がたてば
僕の今の気持ち きっとわかるはずさ
最初で最後のお願い
出典: 太陽がまた輝くとき/作詞:高橋ひろ 作曲:高橋ひろ
主人公は、大切な人に対して手紙を出したのでしょう。
その手紙の中身というのは恐らく彼の想いの丈が綴られたものであると考えられます。
手紙というのは届いたらすぐに封を開けて中身を確認するものですが、彼は開けないでほしいといっているのです。
そうして欲しい理由というのも、3、4行目に書かれています。
ここから分かるのは、2人の気持ちが通じ合っていないということです。
主人公が今思っていることというのは、相手に今の段階で理解してもらえていない。
それは、2人に精神的な距離が存在しているということを意味しています。
4行目の歌詞はその2人の距離が取り返しのつかないものであり、2人の別れを示唆するものです。
黄昏の中で
優しくなれるほど 強くもなくて
ひたむきに愚かに 抱き締めあったね
黄昏せまる頃 ここを去る背中に
遠くの窓から勇気の矢を射るよ
出典: 太陽がまた輝くとき/作詞:高橋ひろ 作曲:高橋ひろ
このパートでは主人公とその大切な人との関係性を表していると考えられます。
恐らくこの相手というのは、主人公の恋人のことを表しているのではないでしょうか。
1、2行目では2人の今までを振り返っている言葉なのでしょう。
お互いに好意を持ちながらも、不器用でうまく相手と意思の疎通が図れない。
だからこそ2人はただ抱きしめ合い、その愛情を確認してきたのでしょう。
しかしいつの間にか2人の距離は遠ざかり今まさに別れを迎えようとしているのです。
3、4行目では主人公が去っていく恋人の未来が幸せであるようにと祈っている様子を表していると考えられます。
うまくいかなかった恋だけれど、彼にとっては今も大切な相手なのでしょう。
夕暮れの中で去っていく彼女を見つめている彼の姿が描かれています。
雨と太陽
太陽を望んでいる
外は雨が まだやまずに
濡れてる人々と街が それでも太陽信じてる
出典: 太陽がまた輝くとき/作詞:高橋ひろ 作曲:高橋ひろ
このパートでは彼が今見ている風景を描写しているようです。
外は雨が降っており、街も人々もその雨によって濡れているのを彼はただ眺めているのでしょう。
2行目の「太陽」という言葉が含まれる文章からは雨が止んで晴れることを心待ちにしている様子が窺えます。
この冒頭の2行は外の風景を描きながら彼の心の中も描いているといえるのではないでしょうか。
恋人との別れによって、心の中に悲しみの雨が降っている主人公。
今はまだ雲に切れ間が見えることはないけれど、いつか自分の心にも日が差すことを信じているのです。