踊Foot Worksとオカモトレイジの邂逅
オカモトレイジの歌唱
2019年12月にコーラス&マニピュレーションのfanamo'(ファナモ)さんが脱退。
踊Foot Works(オドフットワークス)は3人組のヒップホップグループになりました。
ただ、今回ご紹介する「GOKOH feat. オカモトレイジ」は2019年3月に配信リリースされています。
つまり4人組時代の曲ということ。
さらにOKAMOTO'Sのオカモトレイジさんがゲスト参加されています。
しかもドラムではなくラップ&ボーカル担当なのがエモーショナルですね。
レイジさんのお父様はロックバンドTHE PRIVATES(ザ・プライベーツ)のボーカル&ギター延原達治さん。
その関係もあるのか、レイジさんの歌唱については定評があり、今回のオファーにつながったそうです。
クワイト&安全地帯
クワイトとは独自の進化を遂げる南アフリカの電子音楽アフロハウスのサブジャンルのことです。
このビートを取り入れたいと提案されたレイジさんは、DJとしても活躍される音楽マニア。
オドフットのメンバーも音楽通なので、レイジさんの提案をさらっと受け入れられたそうです。
そして安全地帯とは玉置浩二さんがボーカルを務めるロックバンドのこと。
「ワインレッドの心」など数々のヒット曲がありますね。
ギターのTondenhey(トンデンヘイ)さんが作曲された「GOKOH」。
どうやらコード進行やキーが安全地帯とつながりがあるようです。
ここまでの話だけでも濃いでしょう。
さらに歌詞にも様々な固有名詞が登場するなど、情報量が非常に多いです。
今回はラップ担当のPecori(ペコリ)さんが作詞された歌詞に着目して、たっぷり解説していきます。
GOKOH feat. オカモトレイジの歌詞を解釈
最後の夜?
戻れない月の話をしたくて
別れるわけじゃないのに
最後みたいな肌触り
出典: GOKOH feat. オカモトレイジ/作詞:Pecori 作曲:Tondenhey
レイジさんが歌う冒頭部分です。
状況ははっきりしませんが、どうやら男女のラブストーリーが展開されているのでは?という雰囲気です。
これまでつき合ってきた2人。
しかし何らかの理由で離れなければならず、もう一緒にはいられなくなったイメージです。
完全な別れではないけれども、会うのは最後といったところでしょうか。
空に浮かぶ欠けた月、もしくは沈みゆく月を見て時間を巻き戻すことはできないと感じているのかもしれません。
設定はまだ曖昧ながらも詩的な情景が想像できる描写になっていて、非常にエモーショナルです。
安全地帯との関連性
もっと勝手に恋したり
もっとKissを楽しんだり
出典: ワインレッドの心/作詞:井上陽水 作曲:玉置浩二
こちらは安全地帯「ワインレッドの心」冒頭の歌詞です。
実は「GOKOH」も「戻れない~」と「も」で始まっていました。
しかもキーも同じだそうです。
まず、海外で流行中の極上のサウンドにJ-POPらしい歌モノを掛け合わせるというアイデアがあったのでしょう。
そのなかでも安全地帯、しかも「ワインレッドの心」へのオマージュが入っている理由が気になりますね。
実は楽曲制作に先立って、カラオケでレイジさんが歌う会が催されたとか。
そのときにレイジさんが歌われ、しっくりはまっていたのが「ワインレッドの心」だったというわけです。
これがクワイト&安全地帯という掛け合わせにまつわる真相になります。
意識してみると、エモーショナルなラブソングという点もリンクしているようで興味深いですね。
行方不明?
MiamiとZipanguの気候
愛したりCall待つ紅色
あんたがいない夜はGoofy
ジュラ紀からポイッ
幻想 like a ハヌマーンboy
光ってるdaisy
odd丸めてブランディング平成
アイツはそれで行方不明
出典: GOKOH feat. オカモトレイジ/作詞:Pecori 作曲:Tondenhey
さあ、ここからはラップです。
クワイト&安全地帯にラップまで加わるというか、音楽性豊かなオドフットの主軸はヒップホップ。
そんな本領発揮の部分でしょう。
ただ、言葉選びはセンスが重要ですので、具体的なラブストーリーの展開については想像力が必要になります。
マイアミと日本という遠距離恋愛になってしまったのでしょうか。
電話したり、彼女のつけていた口紅を思い出してみたり、男性ひとりで淋しい様子が伝わってきます。
グーフィーというディズニーアニメの犬のキャラクターから、デイジー(ヒナギク)へ。
あるいは恐竜の全盛期からインドの猿の神様のもとへ、オドフット流の幻想的な世界へと導かれます。
しかもこれがオドフットブランドのマーケティング戦略だと言わんばかり。
ただし、そうこうしているうちに彼女は行方不明になってしまったような気配がただよいます。