1番の歌詞

1番は、恋人を失った事実と向き合い、戸惑う描写がされていると感じます。

出会いはいつも突然過ぎる位に
少しでも準備できてたらきっと違う明日に
なれたかな なれないなってたまに思うTake2
明日へ向かう二人には重過ぎた現実

出典: Because…feat.中村舞子/作詞:DJ No.2 作曲:LGYankees

突然恋人を失ったことに対して、出会いと別れの共通点をうまく重ねて歌っています。

「出会い」は突然のものです。

それに対して心構えができていたら、その出会いが今とは違う今を作っていたのだろうか、と考えている姿が想像できます。

そして出会いと別れを重ねます。

「恋人を失うことがわかっていたら、事前に心構えをしていれば何かが変わったのだろうか」

今突きつけられている現実に対して、悲しみや後悔などやりきれない思いが溢れているのが見て取れます。

二人は出会い、未来を見ながら日々を過ごしていたのに、受け入れがたい現実に直面している主人公の心情が歌われています。

好きだけでは進めない

真っ直ぐな感情だけで俺の心描いた
好きって気持ちだけで何とかなると思った
(中略)考えて考えて出した結果に後悔なんてしたくないって決めたはずだった
手探りの道を生きる俺みたいな奴の隣に君がいないのはやっぱ辛いよ

出典: Because…feat.中村舞子/作詞:DJ No.2 作曲:LGYankees

「恋人がいない」という現実に直面し、 大切な人がいなくなってしまった悲しみにのみこまれそうになりました。

しかし、「相手が好きだ」という真っ直ぐな想いだけを大切にしていこうと決意したことが伺えます。

この「好き」という想いだけで悲しみを乗り越えていこうと考えたのですね。

No.2さんのブログには、不安定な音楽活動を誰よりも応援してくれたのが彼女だったと書かれていました。

自分の生き方や未来が不明瞭な状況であっても側にいてくれた恋人の存在。

生きる糧そのものであったことが、この歌詞から読み取れるような気がします。

2番の歌詞

きっと明日は忘れられるだろう
過ぎ去った事として受け入れられるだろう
…そう思って今日まで来た
この場にいた君を探してもやっぱりいないから…

出典: Because…feat.中村舞子/作詞:DJ No.2 作曲:LGYankees

2番は、現実を受け止め、前へ進もうとする描写です。

毎日毎日思い出してしまう恋人の存在。

脳裏には毎日出てくるのに、実際にどこを見渡してもその姿はありません。

もう記憶と想像の中でしか恋人には会えないという切なさを伝えています。

まだ過去にするべきではない存在

間違えようのない気持ちを核に どんな困難でも乗り越えていける
その場しのぎのきれい事でもないし
素直にそう言えるし そう思える
距離も状況も環境さえも何とかするって信じてた
だけど「好きだった」って強がった
…過去になっていないのに

出典: Because…feat.中村舞子/作詞:DJ No.2 作曲:LGYankees

恋人を「好きだった」という気持ちがあれば、この現状も何とかできる。

そう思っていたけれど、それは強がりでしかないのだと気づきます。

なぜなら、「好きだった」と過去に置き去りにしてしまうことで前に進もうとしているからです。

前に進むために、大好きだった人を「過去の人」にしてしまうことへの葛藤や迷いが表現されています。

愛していた人を突然失い、会えないけれど今でも愛している。

このジレンマを乗り越えるために過去のものと割り切ってしまいたいけれど、そう簡単にできることではありません。

前へ進まなくてはならない、けれど進めないという心の葛藤を最も強く描いているセクションではないでしょうか。

Cメロ部分

Cメロ部分は、恋人を失った現実から、前へ進もうとしていく描写が色濃くなされています。

特に、以下の部分がその象徴になります。

Eyes Run Dry…
Because You were There
Because Your Love was Real
Even if It were In the Past

出典: Because…feat.中村舞子/作詞:DJ No.2 作曲:LGYankees

この部分を和訳してみましょう。

『涙は瞳の中でだんだんと乾いていく。

なぜなら、あなたが過去にちゃんとそこにいたから。

なぜなら、あなたの過去の愛情は真実だったから。

それがたとえ、過去の出来事だったとしても。』 

となります。

1番、2番と恋人を忘れることができず、涙を流し続けました。

特に2番では「過去の人」と認識することで、前へ進もうとしていたのです。

しかしながら、「好き」という気持ちを過去のものに、恋人との時間が過去のものになったことを受けいれられずにいました。