連絡船とは海峡を結ぶ船のことです。
島と島の両岸を行ったり来たりする船で、以前は多く利用されていました。
船で行くくらいですから、そう簡単には行き来できないところを目指しているのでしょう。
せんせいは連絡船に乗って、遠くへ行ってしまったようです。
海峡を挟んだ遥か遠くの場所に赴任してしまったのでしょうか。
もう会えないのだと想像させます。
連絡船が表現する切なさとは?
昭和の歌謡曲には「連絡船」が多いですよね。
昔は交通手段が今よりも断然少なかったのです。
さらに日本は島国ですから、船の利用が圧倒的に多かったんですね。
ちょうど1972年は山陽新幹線(新大阪~博多間)ができたころです。
東海道新幹線は1964年から使われていましたが、東北新幹線の完成はさらに10年後です。
船で渡るということは、随分遠くに行くことを指します。
そして、簡単には会えない環境になります。
「船」とは切なく寂しい別れを象徴するようなものだったのでしょう。
白い灯台 絵のように
雨にうたれて 浮んでた
出典: せんせい/作詞:阿久悠 作曲:遠藤実
周りの景色から白い灯台がハッキリ浮かんでしまっている様子を想像してみてください。
辺りは雨模様で薄暗く、海は黒く唸りをあげている風景が浮かびます。
森昌子の明るい笑顔とは正反対のもの暗さや静けさを感じますよね。
悲しさとしあわせを知る少女の恋物語
この後、少女は初恋を経験しながら失恋による悲しみや、恋の素晴らしさを知っていきます。
誰にも言えない 悲しみに
胸をいためた ひとの名は
せんせい せんせい それはせんせい
出典: せんせい/作詞:阿久悠 作曲:遠藤実
せんせいが好きだなんて、いわゆる「禁断の恋」です。
他人に堂々と言えることではありません。
昭和の時代なら尚更ですよね。
「1人で泣いていた」というのも、誰にも言えなかったからでしょう。
気持ちを隠したまま、せんせいはいなくなってしまいました。
「恋」という言葉が表現するもの
恋する心の しあわせを
そっと教えた ひとの名は
せんせい せんせい それはせんせい
出典: せんせい/作詞:阿久悠 作曲:遠藤実
まるで「これが恋なのね」と温かく胸にしまい込んでいるようです。
初恋と失恋を経験した、少女の成長する姿もイメージできますよね。
また、薄暗く悲しいイメージが続いていたのに、ここで「しあわせ」とあります。
淡い初恋は切なく悲しい終わり方でしたが、少女には大きな学びがあったようです。
恋とは悲しいだけでなく「しあわせなこと」であると知りました。
禁断の恋は実りませんでしたが、ちょっと大人に成長した少女の姿がありますね。
森昌子の「せんせい」大ヒットの軌跡
森昌子の大ヒット曲「せんせい」はどのように生まれたのでしょうか?
スター誕生!のグランドチャンピオンになる
森昌子は「スター誕生!」というオーディション番組でデビューした歌手のひとりです。
並外れた歌唱力でグランドチャンピオンに輝き、全国デビューすることになります。