『ベビーフェイス』のラストナンバー
のんの青春時代を歌った曲
ミニアルバム『ベビーフェイス』のラストを飾る「涙の味、苦い味」。
のんは“自分の青春時代を切り取ったような歌詞に”と作詞者のノマアキコにリクエストしたのだそうです。
溌剌とした中にどこか甘酸っぱい香りが漂っているのは、そこに彼女の思い出が詰まっているからでしょう。
学生時代からバンドを組んでいたのんは、ギターを弾きながらこの曲を歌うたびに青春時代に戻れるのです。
彼女がバンド仲間と送った青春とは、どんなものだったのでしょうか。
「涙の味、苦い味」MV
リラックスした姿が素敵なのん
ミディアムテンポのポップ・ロックに乗せて気持ち良さそうにギターを弾くのん。
彼女のトレードマークになったテレキャスターが、よく似合っています。
スタジオでのリラックスした姿が印象的で、音楽をやっている楽しさが伝わってくるMVです。
演技をしている時とは違う解放感があるのでしょうね。
笑顔と時折見せる静かな表情のギャップが、彼女の魅力のひとつだと思います。
放課後が待ちきれない!
「あの頃の私」を思い出す?
放課後そっこースタジオ行ってアンプの
電源入れる 私がやっとONになる
おさげ揺れてる 17歳
出典: 涙の味、苦い味/作詞:ノマアキコ 作曲:ユウ(チリヌルオワカ)
退屈な授業が終わって解放される放課後は、学生にとって自由の象徴みたいなものでしょう。
主人公は間近に迫ったライブが楽しみで仕方ないのかもしれません。
ギターケースを肩に掛けて学校を飛び出していく姿が目に浮かぶような出だしの歌詞です。
はやる気持ちを“そっこー”と平仮名にしたことで、女の子らしい可愛さも表れています。
アンプのスイッチを入れた時の“カチッ”という音で、ハートにもスイッチが入る。
よっぽど学校がつまらなかったのでしょうか。
放課後まで我慢に我慢を重ねて、ようやく自分の好きなことができる。
趣味とストレス解消を兼ねて、中学高校時代にギターやベースをやっていた人が共感できる瞬間だと思います。
最後の行の歌詞は、「あの頃の私」を描いているのでしょう。
昔を思い出して少しだけキュンとなることは、誰にでもあるのではないでしょうか。
音楽で自分を解き放て!
青春の特権とは?
かき鳴らす この衝動は
わたしだけの キラキラ
不安の数 ボリューム上げて
涙の味、苦い味
知らなかった まだ
出典: 涙の味、苦い味/作詞:ノマアキコ 作曲:ユウ(チリヌルオワカ)
このパートの歌詞から感じるのは、音楽が与えてくれる解放感です。
バンドの仲間とスタジオに入ったら、嫌なことは忘れて自分を解き放つ。
ギターの弦の振動が自分を解放してくれる。
アンプで増幅されたギターの音は、刺激を求める心の叫びも増幅してくれるのです。
スタジオに響く音と共にキラキラと輝いているのは、嬉しそうな彼女の瞳です。
何もかも忘れて純粋に好きなことに打ち込めるのも、青春の特権なのだと思います。
だけど彼女には心配なこともあるみたいです。
そんな気持ちを打ち消してくれるのも、相棒のギターなのでしょう。
年頃の女の子の不安定な心は、楽しいはずのスタジオの中でも揺れているようです。